2017.10.19
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仲間を意識した活動を

前回より「心のない学力は学力ではない」についてお話をしています。今回から、より具体的な方法をお話ししたいと思っています

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

 みなさん、こんにちは。
 前回より「心のない学力は学力ではない」についてお話をしています。今回から、より具体的な方法をお話ししたいと思っています。
 前述しましたが、学級経営と授業は「両輪」です。「授業をしながら学級経営」をします。よく「学級経営と授業経営、どちらが大切ですか?」と質問されるのですが、「どちらも大切」です。学級経営がしっかりしていれば、授業は何とか成立します。また、「おもしろい授業」をすれば、しっかりとした学級ができます。「どちらが大切なのか」と考えるのは、意味がありません。そのようなことを考える時間があれば、「おもしろい授業」を考えることに集中しましょう!
 それでは、「心を育てる授業」「学力もつけて心も育てる授業」とは、どのようなものなのでしょうか?様々な方法があるのですが、今回は・・・・、
45分の授業の中で、1回は仲間を意識した取り組みがあるか。」ということを提案したいと思います。
 例えば、体育科の授業で考えていきたいと思います。
 体育科は、他の教科に比べ、「運動」という特性上、「できた」「できていない」がはっきりする教科です。それに、苦手な子もいますが、体を動かすことは好きな子が多い傾向にありますので、「体育が好き」という子が多くなります。ということは、体育科の授業は、比較的、子どもたちが「楽しい」と思える傾向になるということです。
 これは、教師にとって気をつけていかなくてはならないことです。つまり、体育科の授業は、子どもたちが比較的楽しくしているので、授業としてイマイチでも、きちんと授業ができたように思えるのです。ある運動ができていなくても、「いつかできるようになるよ。」「苦手な運動もあるよね。」という魔法の言葉で片付けられてしまいます。
 以上のことは、私が岡山県の小学校教諭だった時代に、先輩方から厳しく教えていただいたことです。
 体育科では、「その時間に身に付けておくべき運動技能」をはっきりとさせ、それが「学級経営」つまり「心の成長」にもつながるように、教材研究、計画をする事が大切になります。
 「運動技能」と「心の成長」、どちらが欠けても「体育の授業」として成立しないのです。
 ひたすら運動をし続ける体育の授業があります。教師が声をかけ続ける体育の授業があります。運動が得意な子は楽しいでしょう。しかし、運動が苦手な子はどうでしょうか。そして、そのような授業に心の成長はありません。
 45分の授業の中で、1回は(以上)仲間を意識してみましょう。アドバイスをする、感想を述べ合う、応援する・・・、工夫をすれば様々な活動ができます。そのような活動を毎時間1回以上入れれば、1年でかなりの数の仲間を意識した活動ができます。これは、子どもたちのかなりの成長につながりますね。
 次回も楽しみにしていてくださいね。
 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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