2017.07.25
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見えない信念~「対話」で何を育てるのか~

ベテランの先生の「ぶれない信念」には、「見える信念」と「見えない信念」があるというお話をしました。そして、前々回は「見えない信念」についてお話しました。今回は「見えない信念」について、具体的にお話します。

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。

 数回前、ベテランの先生の「ぶれない信念」には、「見える信念」と「見えない信念」があるというお話をしました。そして、前々回は「見えない信念」についてお話しました。今回は「見えない信念」について、具体的にお話します。2学期からの学級経営に生かしていただければ幸いです。

 

 「見えない信念」の中でポイントとなることは2つあります。1つ目は、「授業と学級経営は1つ」ということ。2つ目は、「教材研究は子ども研究である」ということです。

 1つ目の「授業経営と学級経営は1つ」を分かりやすく言うと、「授業を通じて子どもたちと教師、子どもたち同士が仲良くなる」ということだと思います。授業で最も大切にしなければいけないことは、「学力をつける」ことです。私は、「その時間に1ミリでも成長できたと子どもたちが実感できる授業が良い授業である。」とよく若手の先生方に話をします。その「成長」の中には、「学力」はもちろんのこと、「心の成長」も入っています。45分の授業の中に、「心」を成長させる活動が入っていたのか、「仲間作り」を意識した活動が入っていたのか、ということがポイントになります。

 授業は、学力のみをつけるものだ・・・と考えられている先生方は少ないでしょうが、では具体的にどう「授業経営と学級経営は1つ」を実践するのかということに難しさを感じている先生が多いように感じます。「授業経営と学級経営」を1つとして授業を構成されている先生方の授業を参観させていただくと、すぐに「空気」が違うことが分かります。そして、「子どもたちの目」が違うのです。「穏やかだけど、凛とした空気」「やる気に満ちた子ども達の目」を感じることができます。ベテランの先生方は、様々な方法で、この「空気」と「やる気の目」をつくりあげているのです。

 では、具体的にどのようにすればよいのか。まずは「対話」を取り入れることです。新学習指導要領でもポイントとなっている「対話」ですが。その「対話」を「する意味」があるか、ということが大切になります。意味のある対話をしているでしょうか。「何でも話し合う」だけの対話では、学力も心も学級も成長しません。「対話」の中に、「未知の部分を解決する糸口」がないと、単なるおしゃべりに終わってしまうのです。そして、対話をする上での「ルール」も必要になります。私の場合は、「全員が必ず1回お話すること」「前の人の話の内容も使う事」というルールがあります。

 単なる「おしゃべり」の「対話」ではなく、「学力」「心」そして学級を成長させる「対話」とはどういうものかを考えながら、授業をつくっていくこと、それが「授業経営と学級経営は1つ」の具体的な方法のうちの1つです。

 次回は、もう少し詳しく話をしていこうと思います。

 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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