2025.04.11
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いろいろな温度差

教員生活が長くなり、会議などでもたくさん意見を言うようになりました。
その中で、昨年1年を振り返り、自分の発信したことが相手に届いているのだろうかとふと疑問に思うようになりました。

尼崎市立小園小学校 教諭 中村 隆文

4月からの学校のこと

昨年度末の職員会議の中で校時表の話がありました。朝の時間に少し余裕があるので、その時間を10分カットして、下校時刻を10分早め、先生方の放課後の時間の確保をしてはどうかという意見が出されたのです。
本校の給食開始は12時20分ですが、10分繰り上げると給食室の勤務体系や契約の関係で難しいと栄養教諭から意見があり、従来通り運用していくことでまとまりました。
10分というと、週当たり50分、年間で約30時間の時間の確保ができ、業務改善につながります。
勤務時間や先生方の業務に関わることなので、何とか実現できればと考え、後日、給食開始時間はそのままで、下校時刻だけを10分早めることのできる案を自分から提案し、会議にかけました。

「心も体もゆとりのある職場環境にみんなでしませんか」というキャッチフレーズも提案に載せましたが、提案文について考える時間的・心理的な余裕がなく、会議が長引くという懸念もあり、最終的に今回は見送られることとなりました。
自分の思いと少し温度差があるのだろうと感じました。教員という仕事は時間的な余裕がなく、終わりが見えない仕事ではありますが、心も体も余裕がある職場でありたいと願っています。

年度末の「お疲れさま会」の話

少し重たい話になってしまいましたが、年度末の「お疲れさま会」での話をしたいと思います。温度差の話です。
3学期の修了式の日に、ある先生の音頭で、全体でお疲れさま会をしました。その時、私を含め4人の先生方と席が一緒になり話をしました。40代2人、20代2人です。

ある20代の先生に、「提案に対する意見がある場合は、会議前に伝えてほしい」と言われました。それはつまり、全体の場で言ってほしくないということです。
私自身は今では意見を言われることにも抵抗がなくなっていますが、自分が20代のころは年上の人も多かったので、会議で提案することはほぼありませんでした。
しかし、今は場合によっては20代も主任を務める先生がいる時代です。経験の少ない教員にとっては、全体の場で指摘されることにためらいを感じる場合もあると気づかされました。
そこで、どうしたらいいかと話をしていると、同じ席にいたもう一人の40代の先生がAIに聞いてみようと提案してくれました。
質問は「私は教員です。20年目くらいです。若手から、提案に対する意見は事前に伝えてほしいと言われました。どうすればいいですか」という内容です。
返ってきた答えは、多岐にわたりましたが、少しだけ紹介します。

1.若手教員とのコミュニケーションを図る
・定期的なミーティング
・個別相談の時間
・情報共有の促進

2.提案のプロセスを明確にする
・提案のガイドライン
・提案の提出期限
・提案の評価基準

3.若手教員の成長を支援する
・フィードバックの提供
・研修やワークショップ
・成功事例の共有

4.提案に対する心構え
・傾聴と受容
・建設的な議論
・共に創り上げる意識

実際には、さらに詳しく具体的な対応策が書かれていました。すべてを鵜呑みにするわけにはいきませんが、AIに感動した瞬間でした。

中村 隆文(なかむら たかふみ)

尼崎市立小園小学校 教諭


教員として走り続けている一教員です。
失速しないよう、適度に調整しながらがんばっています。
数年前までは学級担任をしてきましたが、現在は音楽専科をしつつ、ICT推進主任をしています。
「最小限の労力で、最大限の効果を」をモットーに仕事に励んでいます。

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