2017.03.29
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始業式 5分間授業で縦糸・横糸を!

ばたばたの始業式。でも一番大切な日ですね。始業式で一年が左右されるといっても過言ではありません。始業式の日には、とにかく「5分間授業」です。これで、子供たちや保護者の心をわしづかみにしましょう。

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

 みなさん、こんにちは。
 本年度も終わりに近づき、少しゆっくりする時間もありつつ・・、でも忙しい日々を送られているかと思います。
 さて、前回は以下のような内容で終わりました。

          「始業式の日にする授業を計画する。」

 始業式の日に授業なんて・・・。と思われるかもしれませんが、始業式の授業が、学級を学習集団にするきっかけをつくります。例え、5分間だけでも、しっかりと楽しい授業をしましょう。
 よく「絶対に」学級崩壊しない、保護者の信頼を勝ち取る・・・といった内容の本やセミナーを見ます。そして、様々な方法が書かれています。どれも魅力的な内容だと思います。しかし、全てを実践できることは不可能です。先生がたの個性もあります。できるものと、できないものがあります。本やセミナーで知った事をそのまま実践するのは、大いに危険であると私は思います。知り得た事を自分なりに、どう構成していくか・・、新年度の準備は、そこが大変なのです。
 しかし、どのような状況でも、どのような先生でも必ず始業式にしてほしいことがあります。それは「授業」です。始業式の日に「授業開き」をしてほしいと思います。
 とは言っても、始業式の日は時間がありません。プリントを配布して時間が過ぎる・・ということもよくあります。なので、「5分だけでも」授業をすることをお勧めします。
 5分であろうと、10分であろうと、次のことをポイントとして授業を組みことが大切です。

(1) 分かりやすいもの。すぐに成果(答え)が実感(分かる)もの。
    おすすめは、国語の教科書の最初の詩です。その詩を使って「音読」をします。短い詩なので、リズム 
   よく音読することができます。また、短時間で覚えることも可能です。短く、分かりやすいので、子ども
   たちも集中できます。

(2) 授業規律が伝わりやすいもの
    「話をきちんと聞く」「姿勢を正す」「挙手の仕方」など、最初の授業で大切にしたいことを伝えま
   す。もちろん、最初の授業だけで定着できませんから「先生は、授業を大切にしている。」「先生との授
   業って楽しいな。」と感じてくれたらOKです。

(3) 楽しいもの。
    5分間でも楽しい授業は可能です。「楽しい」というのは、「おかしい」だけではなく、「学ぶのって
   楽しいな」と思わせることです。しっかりとほめることが大切です。「がんばったら、先生はほめてくれ 
   る」そう感じてほしいものです。そして、「新しいことを知った!」という事実も必要です。先生だけが
   知っている「マメ知識的」なものを最後に伝えるのもよいでしょう。また、理科のおもしろ実験をされた
   先生もいらっしゃいました。

 短い授業開きの中に、「縦糸」「横糸」「学ぶ楽しさ」という授業の大切な三つの要素が入るように授業を仕組みます。なかなかうまくいかないかもしれませんが、その三つの様子を意識すると意識しないのとでは、今後の学級経営・授業経営・保護者関係に大きな変化をもたらします。

 次回は、具体的な授業の進め方を紹介します。

 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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