されど、給食指導
本年度修了まで、1カ月と少しとなりました。この時期、子たちのどこを見て、成長を感じようとしていますか?
子どもたちの成長を感じる活動の1つに給食があります。今回は、「今さら?!」と思われるかもしれませんが、この時期の給食指導について述べてみました。
大阪府公立小学校教諭 松森 靖行
みなさん、こんにちは。
卒業まで、今の学年修了まで、約1ヶ月を切る頃となりました。
私はこの時期、給食の時間をいつも以上に気をつけて見ることにしています。
以前にも、お伝えしたと思いますが、給食の時間は学級経営の全てが出るのです。
私は、給食は自分の席で食べます。昔は、子どもたちの中に入って食べていたのですが、「子どもたちの全体の様子を把握したい」「子どもたちの素の様子を把握したい」という思いから、給食の時間は、子どもたちから少し離れ、自分の席で食べながら様子を見ています。「給食の時間は、学級経営の全てが出るよ。」と先輩に教えていただいたことがきっかけです。
見るポイントは、4時間目終了から、子どもたちだけで、素早く給食準備ができるのか。お互いのことを考えて配膳をしているのか。「おかわり」は平等にできているのか。食べている、会食をしている時の様子は。片付けは、きれいに、給食の先生のことを考えてできているのか。などなど。学級経営のポイントが山ほどあります。
人間の欲の中に、「食欲」があります。これが満たされないと、大変なことになりますよね。子どもたちも同じで、「食べ物」を目の前にすると、意識していなくても、「我」が出る時があります。そして、その「我」をコントロールしながら、どのように周囲と関わっていくのか。給食の時間には、そのような子どもたちの姿、クラスの姿を見ることができるのです。
はっきり言うと、給食の時の様子が、今年の成果だと言っても過言ではありありません。
給食の時間は、○付けや仕事を終わらせる時間・・・の時も正直あります。しかし、○付けをしながらも、耳は子どもたちの話の内容を聞いています。「そうか・・こんなこと考えているのか。」「今日は、少し様子がおかしいなあ。」など、給食の時間の話の内容から、子どもたちの様子をつかむことができます。
以前、「給食の時間の指導は0でよい。」と教えていただいたことがありました。果たしてそうでしょうか?マナーなど最低限のことは、家庭でも教えるべきでしょうが、できていなかったら、きちんと教えることが大切だと思います。
給食の時間は、楽しくリラックスできるものにしたいものです。しかし、楽しくリラックスできるものにするには、きちんとした「秩序」が必要になります。学年も終わりに近づくと、その「秩序」がきちんと成り立っているかどうかを、きちんと把握する必要があるでしょう。
もし、できていなかったら・・・、「もう終わりだから、少々できていなくても・・・。」と考えられる先生もいらっしゃるかもしれません。しかし、それでよいでしょうか・・・。
「最後の一秒まで成長させる」取り組みをするのが教師だと思います。
それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)
大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。
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