2017.02.06
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へこめ!若者!その経験が君を強くする!

2月に入りました。最後の参観日を控え、クラスもまとめムード。

前回の投稿にも書きましたが、ここにきて、クラスがもたつくなんてこともよくあることなんですよ。

教育理念的な私のポリシーは前回に書きましたので、今回は、今、まさにへこんでいる若い教師に、送る言葉です。

兵庫県公立小学校勤務 松井 恵子

へこんだときの私のパワー回復法

だいたい人がへこむのは、人間関係です。

特に保護者との関係でしょう。もちろん保護者に理解が得られないときは、子どもと担任の関係や子ども同士の関係に、何らかのすれ違いが起こっているときですが、今回は、その原因について、また、そのずれを防止する策についてはおいておきます。(以前までの私の投稿にもたくさんつまっていますので、ご覧下さい。)

とにかく、どうしようもなくへこんでしまったとき、どうするか・・・・私の対処法は、

1 とにかくいっぱい呑む…ちょっといいビールやワインをいっぱい呑む。そして、寝る→忘れる。

忘れるといっても、全て忘れるわけではない。自分がコントロールできないような部分は、これで忘れて、要(かなめ)だけに削ぎ落とすのです。自分が行動できることだけに集中できる状態にします。

2 わが子を抱きしめる…いっつも抱きしめないとなあ(反省するわ)これが一番パワー回復できる。もしくは、実家でゆっくり…

子どもも大きくなり、私も“それなりに大人”になった今は、主人に話すことが増えたかな。とにかく、家族(または友達もしくは恋人)の存在を感じる。人間関係の悩みは、人間関係が補ってくれる。

3 パワーを回復しつつ、「攻撃は最大の防御」ということで、授業や学級会など、新しいことにチャレンジして動きまくる。

へこんだ次の日こそ、動け!

チャレンジしたいことを見つけよう!!本でも先輩でも、後輩でも、いいと思うことをまねから入って、自分なりの個性と混ぜて、自分のものにしていくんです。

自分がコントロールできることに集中し、動く。とにかく動きまくる。

自分のことをだれかが悪く思っているんじゃないか、陰口を言われているんじゃないか、そんなことを考えていても、それは、自分ではコントロールできません。そんなことは、ほっておけばいいのです。

気にするエネルギーを自分が行動できることに変換しましょう。

だからこそ、甘える力を身につけろ!

この動く段階に入ったのなら、もっと周りに甘えなさいよ~

一人で考えてらちがあかないことも、誰かに話せば、アイデアくれることって、人生に満載なのです。話している間に、自分で自分の解答を見つけているのだけれど、それは、自己開示の力がある人がそのチャンスをものにでき、道が開けていくのです。

いっぱい甘えなさい。

「こんなことがあって・・・」腹を割って話せたら、自分も乗り越えられている証拠だし、ぜったいヒントをもらえます。

特に学校の先生は、教えることが好きでその仕事についたのですから、いっぱい教えてくれるんですよ。

職歴が20年以上経ってもわからないことなんていっぱいあります。私は、先輩にも後輩にも聞きまくりですよ。

あなたから垣根をとって、開いていける人になりましょう。「悩んでるんです・・・」ってね。

若いときは「甘える力」、歳を重ねたら「ぶっちゃける力」で、人間関係は和んでいくのです。それを最近は、コーチングといったりもしますね。今、いろいろな会社でコーチングの研修があったり、教育も協同性が求められたりしています。

だいたい自分が心を開かないでいたら、相手が心を開いてくれるわけがないでしょう。

立場を守って話しても、人は心を動かしません。人は人として繋がると、心が動くのです。そのスタンスが身についていけば、同僚だけではなく、保護者の方、地域の方、どんな方とも、和やかな人間関係が築けるはずです。

記録の大切さ

何か問題行動が起こってしまったり、保護者とのすれ違いがおこってしまったら、その児童の記録をしっかりとっておくことが大事です。

「お友達と仲良くやっていますよ。」だけでは、納得につながりません。

「○月○日の昼休みは、○○さんと○○さんと一緒におにごっこをしていました。翌日の昼休みは、・・・」

等、詳しく記録する。

もちろん問題行動も記録します。ですが、全てを保護者の方に伝えるということではありません。

普段の個別懇談会などでも、具体性のある内容で保護者の方に伝えます。

でも、その子や保護者にとって前向きに進めるように、情報を取捨選択し話します。

特に、関係がすれちがっている保護者の方とは、まずは、保護者の方の思いを受け止めるのが先です。60分は必要。場合によっては、数日たってから、その子の課題を伝えます。もちろん、具体的な事柄から、子どもの課題を伝えます。

そして、課題をつきつけるような言い方ではなく、「学校で、ここを育ててあげたいと思って見ているんです。しっかり見ていきます。」と、育てようというスタンスを伝えることを忘れてはいけません。

仕事ですから、雨の日も風の日もあるのは当たり前

バラエティー番組で過酷なロケに挑戦するイモトアヤコさんが叫んでいた言葉の深さに感激した覚えがあります。その言葉は

「憂鬱じゃなければ仕事じゃない!憂鬱じゃなければ仕事じゃない!」

というものです。

その言葉を呪文のように唱えて、ロケにトライしていました。

その通りですよね。仕事は、楽しいことばかりではないんです。

仕事は、社会人として責任をもって全うしなければならないのですから。

どんなに好きなことを職業にしても、うまくいかないことも出てきます。

だから、つらくても、真摯に全うしようとする姿勢が大事です。学び続ける真摯さが大事です。

健康で、仕事があって、それこそ、この上ない幸せですよ。

悩みを相談できる友がいてくれたとしたら、もっと幸せです。

感謝して進みましょう。

最後に。

何より、問題行動をおこしている子ばかりに目をやらないで。

悩んでいるあなたは、正しいです。

マニュアルだけをこなして満足しているような、「悩まないマニュアル教師」ではないのですから、それだけで、素敵な先生です。

でも、へこんでばかりじゃいられません。いらいらしてもいけません。

担任のことをまっすぐに見つめているたくさんのクラスの子達がいるんです。

あなたは、待たれているんですよ。

担任が前をむかなくちゃ!

あなたのできることを真摯に積み重ねていくのです。

そうすれば、新しい自分に会えますよ。

そんな教師の生き様を、子どもは見ています。

生き様それ自体を見せることも、私たち教師の仕事だと、私は思います。

松井 恵子(まつい けいこ)

兵庫県公立小学校勤務


兵庫県授業改善促進のためのDVD授業において算数科の授業を担当。平成27年度兵庫県優秀教職員表彰受賞。算数実践全国発表、視聴覚教材コンクール特選受賞等、情熱で実践を積み上げる、ママさん研究主任です。

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