2017.01.24
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来年度へむけて

前回に引き続き、「3か月をどう乗り切るか」についてです。特に、今、苦しんでおられる先生方へ、再度メッセージです。自分自身を大切に。自分のために、新年度へむけて!!

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

 前回、「あと3ヶ月をどう乗り切るか」という話をしました。今回は、「KJIH」に話を戻そうかと思ったのですが、まだまだ苦しまれている先生がたくさんいることを実感したので、もう少し、「あと3ヶ月をどう乗り切るか」について話をしたいと思います。

 前回でもお話しましたが、大切なことは「教師自身、自分自身を大切にする」ということです。やはり、「クラスを何とかしなくては。」「子どもたちを大切にしたい。」と思う事が当然だと思います。しかし、はっきり言うと、この時期(3学期)は、どうがんばっても、あまり良くなりません。クラスの雰囲気のほとんどは、1学期の最初の1ヶ月で決定してしまいます。

 私は、4月から5月は、セミナーなどの講師の仕事を入れません。余裕がないからです。新しい学級を軌道に載せるために、全力を尽くします。学校でも家でも普段よりも仕事量が多いです。いつもより、ずっと深く、長く、クラスのことを、子どもたちのことを考えます。正直、そこまでしていても、うまく行かない事の方が多いです。4月からの1ヶ月は、学級経営に全力を注ぎます。

 それと同じようなことを、3学期だけでできるはずありません。3学期は、現状維持、これ以上悪化しないように「何とか乗り切る」しかないのです。

 しかし、4月からは次のクラスの学級経営が始まります。4月からのことを思うと、かなり不安に思われる先生もいらっしゃるのではないでしょうか。学級の状態にもよるのですが、この時期できることは、「自分の教師としての反省を4月からどのように生かすかを考える。」ことのみです。

 はっきり言います。学級崩壊をしてしまう、なかなか思うようにクラスが・・・という状況になってしまう原因は、「教師の力量不足」だからです。学級崩壊の原因を「子ども」や「保護者」にする先生方もいらっしゃいますが、それは違います。学級経営に必要な「教師の力」をきちんとつけること、自分にその力がないと思うのなら、力をつける努力をすることが必要なのです。

 具体的に言うと、学級全体のことを考え、一人ひとりの子どもたちをどう育てるか、何ができて、何ができていないのか、そしてそれに合わせて教師は戦略を練るということです。その戦略も1年間を通して長期的なもの、学期ごとの中期的、そして月や週ごとの短期的なもの、各教科では何をどう育てるのか・・・、ということをきちんと考えておくのです。

 そのようなことを考えていくと、次第に「このクラスに必要なもの」がはっきりとしてきます。そして、「教師としての自分に足りないもの」も見えてくるはずです。その「足りないもの」を補うために、そして「できているところ」でも「より伸ばす」ために、本を読んだり、先輩に相談したり、セミナーに参加したりして、教師修行を進めていくのです。

 私がしている方法としては、教務手帳の3月の最後に、1「来年度取り組みたいこと」と2「来年度取り組まなければならないこと」をメモしておきます。忘れる事を防ぐためです。子どもたちとお別れしてから、私は手帳の最後に反省をします。その時に、必ず1、2を見るので、それをもとに反省をしていきます。1はうまくいっていて引き続きしたかったり、もっとレベルアップしてやりたかったりするもの。2は、反省材料です。できていなくて、これから補いたいものです。1ばかりでもよくないし、2だけでも暗〜い気持ちになってしまいますね。1、2とバランスよく書いていくようにしています。

 相談に来る後輩達には、自分の苦い経験などを中心に話をしています。すると必ず「松森先生でもそんなことがあったのですか!」と驚かれます。私も「一教師」です。いつ学級崩壊するか分かりません。常に反省し、修行なのです。授業もきちんと準備しておかないと、不安で眠れないこともあります。学級崩壊をした夢を今でも見ます。私も同じなのです。

 今年の年賀状。後輩の先生方には次のような言葉を書きました。

「学ばない教師は、教師として死にます。」

 つらい時期もあるかとは思います。自分の気持ちと向き合いながら、4月からどうしたいか、じっくりと未来のことを、前向きに考えたいですね。

 それでは。

※今回の記事も勤務校は関係ありません。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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