2017.01.05
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残り3か月をどう乗り切るか

今、話をしている「KJIH」はいったんお休みして、「残り3か月」をどう乗り切るのか、という話をします。教師も人間です。いろいろな思いをして苦しんでいる先生はたくさんいらっしゃいます。

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

 新年あけましておめでとうございます。

 今年も子どもたちのために、全力でがんばりたいと思います。そして、私の書く記事が少しでも、先生方のお役に立てたらと思います。

 今年もよろしくお願いいたします。

 2017年、1回目ということで、「KJIH」をお休みして、「学年末、学年始めに向けて」と出してお話します。

 年が明けると、日本の学校は学年末に向けて一気に進んでいきます。「がんばらねば!」と思うのは、子どもたちも同じです。しかし、前向きになれない先生方もいらっしゃると思います。

 私も経験したことがあります。新年からこんな話で申し訳ないのですが、実際に苦しんでらっしゃる先生方が全国にはたくさんです。「ずっと冬休みだったらいいのに・・。」「始業式が怖い。」と思ってしまいます。そして、「自分が悪いんだ。」「子どもたちに申し訳ない。」「自分が何とかしなくては。」とも思ってしまいます。人間として当然じゃないのかなと思います。色々な気持ちが出てきて、苦しくなってしまうのです。

 どうか、自分を責めないでほしいと思います。

 教師も人間です。うまくいかないことがあって当然なのです。「とにかく、あと3ヶ月。乗り切る事。」そう思う事が一番大切だと思います。これは、野中信行先生がいつもおっしゃられていることです。「とにかく」、今の現状を維持、これ以上悪くならないようにしながら(この、「これ以上悪くならないように・・」というのもプレッシャーになるのですが・・)、残り3ヶ月を「乗り切る」「しのぐこと」が大切なのです。

 本屋に行くと様々な教育書が並んでいます。私も本を出している一人として、本を通じて、たくさんの先生の一助となればという気持ちで書いています。苦しい状況になると、ネットで指導法を検索したり、本屋に行ったりします。何かヒントがあるような気がして・・。私も行きました。しかし、私が思ったことは「本に書いている内容や先生の経験談は、うまくいったからだろう。今の自分には無理だ。」ということです。私自身、本を書いたり、学びの場.comで記事を連載したりしておきながら、こんなことを言うなんて、申し訳ありません。しかし、この気持ちが本当の気持ちなのではないかな・・と思います。

 苦しい時は、より「自分の生活を大切に」してほしいと思います。「あと、3ヶ月だ。」「次の先生に任せよう。」・・・無責任に聞こえるかもしれませんが、そう思う事で、これ以上ひどい心の状態になることを避けることできます。

 家に帰って○○しよう・・週末は○○に行こう・・・、自分の生活の中で、自分にとってプラスになることを考えて過ごしましょう。そして、学校では「頑張りすぎず」「みんなと協力して」を意識して、過ごしていきましょう。それでも、「頑張る」と思います。子どもたちをいざ目の前にすると、スイッチが入る先生も多いでしょう。調子がよい時はよいのですが、一番怖いのが、「大丈夫!大丈夫!」と周りの人に言っている状態です。周りは、「そうか、大丈夫なら・・」と思わずに、その先生に合わせながら、サポートしていくことが大切なのです。

 まとめて言うと、「良くしようと思わず、無理をしない。」ということです。保護者の方が聞いたら、「なんと無責任な!」と思われるかもしれませんが、教師も人間です。これ以上、心を疲弊し、健康を損なう前に、いつもの自分を取り戻し、少しでもクラスで元気になれるように・・と願ってくださったらと思います。そして、保護者の方にお願いがあります。もし、担任の先生がそのような状況かもしれないと思ったら、(そうでなくてもですが・・)お子様に担任の不満を言うのは絶対に避けてください。子どもたちは、お家の人が言うことが絶対な子が多いのです。担任がいくらがんばっていても、家で担任の文句を聞いたら、やはり、そういう目で子どもたちも見てしまいます。もし、気になることがあれば、担任や校長、教頭先生に直接伝えることをおすすめします。「直接言うのはちょっと・・。」と思われるかもしれませんが、こういうことを相談することは、失礼なことではないし、解決の糸口が見えることもよくあるので、ぜひ相談してほしいと思います。

 新年から少々苦しい話になりましたが、本年度もあと3ヶ月です。先生たち自身も自分を大切にしながらがんばっていきましょう。

※今回の内容も、執筆者の勤務校などは一切関係ありません。

 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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