2016.12.19
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KJIHを育てる。まずは教師から。

KJIHな子どもを育てる最大の方法は、教師自身にあります。そのことを詳しく述べています。

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

 みなさん、こんにちは。
 本格的に寒くなってきましたね。2学期も終わりです。みなさんと、子どもたちにとってどのような2学期だったでしょうか?

  学期末は、バタバタしますが、少しでも「個人で」「学級で」振り返る時間をとることが大切だと思います。それが次につながるのです。

  さて、前回に引き続き、「KJIH」な人に育てる、「感じの良い人」に育てるです。
今回は、具体的にどのように育てるのかということです。

 やはり、学校生活の大半は「授業」です。「授業」で仲間の絆を深め、努力する大切さを知り、人を敬う態度を養う・・。全部じゃないかと思われると思います。そう、「全部」なんです。勉強だけを教えるのではありません。「授業」を通して、人を育てるのです。もちろん、担任とのつながりも「授業」でつくります。となると、感じの良い人に育てるのも「授業」が中心になります。

  では、授業でどのように育てるのか。授業の進め方や発表の仕方など、いろいろな方法があります。もちろん、それらでも「感じの良い人」を育てます。しかし、一番大切なことは、「教師自身が、感じのよい対応を心がける。」ということです。

 子どもたちと話をしている時、子どもたちが忘れ物の報告に来た時、ほめている時、叱る時、指名している時、授業を進めている時・・・子どもたちにとって感じの良い対応ができているでしょうか。「叱るな」と言っているのではありません。「叱る」時は、タイミングと叱り方、子どもたち、保護者が納得するか・・ということが大切なのです。

 例えば、「忘れ物をした時」にどう行動に移すかは、各クラスで指導をしていると思います。子どもたちが忘れ物を報告に来た時に、「感じのよい対応」をしているでしょうか?叱るばかりになっていないでしょうか?先生が指導をしたように、子どもたちが行動に移しているのならば、まずは、「笑顔でほめて」ということが必要ではないでしょうか。

  そして、一番大切なこと。それは、「常に笑顔」ということです。何がない時でも、「笑顔」でいることです。「笑顔」であれば、よい雰囲気になります。自分が「笑顔」なのかどうか、分からない人は、試しに休み時間に校舎を歩いてみてください。子どもたちから声をかけられたり、ニコニコした笑顔でこちらを見てくれたりしたら、先生も「笑顔」なのです。

 授業中、行事中も大切なのですが、教師の普段の態度を子どもたちはよく見ています。「親の背中を見て育つ」と言われますが、学校でも「教師の背中を見て育つ」です。感じのよい担任の元では、感じのよい子が育つと思います。私はまだまだですが・・・・・・。自戒の意味を込めて書かせていただきました。

 先日、関西学院大学初等部でのUDの研修会で、このサイトでもおなじみの兵庫県の松井恵子先生にお会いしました。初対面でしたが、すぐに分かりました。松井先生こそ、「感じのよい」「明るくほがらかな」先生でした。皆があこがれるのも分かります。その時は、食育の藤本勇二先生から理科のUDについてのお話をうかがいました。藤本先生も、いつも「KJIH」な先生です。
 
 教職員の不祥事が連日のように報道されます。目や耳を疑う報道ばかりです。そのような不祥事を起こしてしまう教職員の原因の一つとして、私が今回述べた、先生も「KJIH」であるべき・・ということがあると思います。教職員は、子どもたちを明るく未来へ導く以上「KJIH」であるべきなのです。叱っていも、心は「KJIH」であるべきなのです。「そんな・・。無理でしょ。」と思っている方は、厳しいようですが、教師として不適格だと思います。やめるべきです。


 しかし、 私自身、「感じのよい先生」なのでしょうか・・・?常に悩んでいます。日々修行です。

 それでは、今年はこれで最終回だと思います。

 また、来年です。来年度もよろしくお願いいたします。

 よいお年をお迎えください。

 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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