2016.10.25
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勤務校を大切に

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。

今回から、特にテーマを設けずに書いていこうと思います。まさに「つれづれ」日誌です。私が今感じていることを書いていこうと思います。少しでも、みなさんの教員生活の参考になればと思います。引き続き、よろしくお願いいたします。

 さて、私は岡山県で14年間、小学校教諭をしてきました。そして、今現在、大阪府寝屋川市での3年目の途中です。

 岡山を離れる時、たくさんの仲間が見送ってくれました。このつれづれ日誌で連載されている、江尻先生もその一人で、私の大切な同志です。勤務地だった倉敷市、浅口市、そして岡山県全域、おとなりの広島県・・・たくさんの仲間、後輩ができました。週末は、みんなで集まり学習会をしたり、「王将」で遅くまで語り合ったり・・・本当に楽しかったし、私の教師としての基礎は、ここで築かれたものだと思っています。

 岡山県時代、私が初任者の時、初任者指導の先生の指導が厳しくて、正直逃げていた時がありました。本当に苦しかったです。しかし、今の私の実践の基礎は、その先生の教えがほとんどです。今ごろになって、やっと分かりました。「授業に対する真摯な態度」「子どもたちを大切にすること」、まだまだですが、その先生が伝えたかったことを自分なりに理解し、実践し、若手の先生達に伝えているつもりです。

 もちろん、まだまだ思い出はあります。

 「思い出」をゆっくりと思い出してみると、数えきれない人たちが私の周りにいて、助けてくださったことばかり思い出しました。

 感謝しても、しきれません。

 今の私があるのは、岡山で一緒に過ごしてくださった方がのおかげなのです。

 そして、大阪府での勤務。最初は、セミナーで知り合った先生方を除いて、誰も知らない、アウェイのスタートでした。(当たり前ですが・・・)今の勤務校での初日。校長先生から、「松森先生、若手に学級開きの方法を伝授してください。お願いします。」とお話がありました。

 私は固まってしまいました。岡山から来て、誰かもよく分からない人に教えてもらっても、腑に落ちないだろうな・・と思ったからです。

 その後、2時間。本校の若手の先生15人にいろいろ話をしました。その時のことは、あまりよく覚えていません。みんな一生懸命に聞いてくれたことだけは、はっきりと覚えています。若手の先生方は、今もそうですが、「松森先生、こんな時どうすればよいですか?」「こんな方法を考えたのですが、どうですか?」「○○について教えてください。」など時間があれば、私にたくさんの疑問をぶつけてくれました。

 時間が経つにつれ、私も木屋小学校に慣れていきました。

 気がつくと、3年目の途中。毎日、忙しく日は過ぎていきますが、毎日充実しています。

 大阪でも、すばらしい仲間ができました。幸せです。

 先日、音楽鑑賞会と公開授業が重なった日がありました。音楽鑑賞会の担当は私。公開授業の授業者も私。何日も前から、2つのことを同時進行で進めていきました。おまけに、前日はミュージカルの鑑賞と社会科見学を同時にする強行予定。ヘロヘロでした。常に「あれをして、これをして・・ああ・・授業のこともして・・・。」という状態でした。

 そんな時、学校の先生たちが「松森先生、これしときました。」「松森先生、こっちにふってっください。」とたくさん声をかけてくださいました。そして、気がつくと仕事がどんどん片付いていました。

 もちろん、音楽鑑賞会も大成功。出演者も子どもたちも、そして先生方も大満足でした。

 公開授業は市内公開でした。市内で一斉に全ての教科で公開授業をするのですが、私の授業に60名以上の方が参観にきてくださいました。そして討議会にもかなりの数の先生方が・・・。子どもたちをすごくほめてくださいました。私の方は、まだまだですが・・・。なんとか公開授業も大成功。この公開授業でも、市内の社会科部の先生方、校内の先生方に大変お世話になりました。

 放課後、片付けをしていると、校内の大先輩の先生方が「おつかれ!!」と手伝ってくださいました。

 正直、怒濤の2、3日でした。体は疲れましたが、心はほんわかでした。心地よい疲れでした。

 自分でも気がつかないうちに、もう大阪の教員なんだなと思った瞬間でした。

 今、ライフワークバランスが叫ばれています。

 みなさん、「心地よい疲れ」を毎日感じてますでしょうか?

 「心地よい疲れ」を感じるには、やはり「勤務校」を大切にすることです。「勤務校」の仲間たちを大切にして、日々、愚直に誠実に実践を繰り返すことです。そして、毎日「良い意味で反省」をするのです。

 「あー疲れた!!」と笑いながら、先生方と話しながら言える疲れ。そんなことができなくなると、要注意だと思います。

 セミナーで講師をしていると、勤務校の文句を聞くことがあります。話を聞いていると、勤務校の行事があるので、セミナーに来ていることもよくあります。「セミナー」に行くだけでは、レベルアップしません。「勤務校」や「自分の学級」と照らし合わせながら(つまり、大切にしながら)、セミナーを受講する事で、レベルアップするのです。

 私は、教師をやめたいと思う時が1回ありました。学級崩壊をした時です。その時は、意地をはって、先輩方に助けを求めませんでした。助けをセミナーなどの外に求めていました。勤務校を軽視していたのです。そうすると、状況は悪化。勤務校での人間関係もぎくしゃくしてきました。

 幸い、指摘してくださる先輩がいらっしゃり、「勤務校」の先生方と共に仕事をしていく姿勢に、だんだんと変わっていきました。それからは、大なり小なりの問題はあったものの、「やめたい」と思ったことはありません。

 一番のお手本、学びは「勤務校」にあるのです。

 まずは、勤務校の仲間と、語り合い、汗を流し、悲しんだり、喜んだりしながら、「勤務校」をベースとして活動をしていきましょう。心地よい疲れを感じるために。

それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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