2016.10.28
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小学校英語を学修にするために PART2

前回は「目標の共通理解」について書かせていただきました。
今回はその目標を「絵に描いた餅にしない」ために私がしていることを紹介します。

倉敷市立連島南小学校 教諭 江尻 寛正

今年度も半分が過ぎました。
日々の業務とともに、今は研究授業や学習発表会、校外学習の指導などでさらに忙しくされている時期だと思います。しかし、一番子どもたちの力が伸びる時期だと思います。1つ1つのことにていねいに取り組んでいけたらと思います。

さて、新指導要領では、小学校高学年で教科としての英語が週2時間、中学年で外国語活動が週1時間となります。
移行期間から実施と考えると、準備期間は1年半を切りました。
目の前の事とともに、先をみすえて準備していくことも大切だと思います。私もできることとして、情報を発信していけたらと思います。今回もよろしくお願いします。

前回のふりかえり(目標の共通理解)

主体的に学修するためには、そのゴールを子ども自身が知っておくことは必要不可欠だと思います。進むべき方向を知らないのに、「自分で考えて学ぶ」ことは無理だからです。

 前回はその方向(目標)を共通理解しておくことについて紹介させていただきました。そして私はそれをワークシート上部に明示しています。いつでもそれを確認できるようにするためです。

 しかし、それをしたからといって子どもが主体的に学ぶとは限りません。そのサポートを行っていくことが指導者の大事な役割だと考えています。今回はそのために私が行っていることを紹介します。

目標の達成度を自己評価

ワークシートの上部に目標を明示しておきます。
その横に私は目盛りを設けています。
これは、今の自分の目標達成度を自己評価して表すようにするためのものです。
月に1回程度、「今はどれぐらい達成している?」と聞き、色をぬらせるようにしています。
自分で色をぬることによって、目標に自分がどれぐらい近づいているかを可視化できるようにしています。
たとえ「できる!という自信はない・・・」と思っていても、「前までよりはできるようになった」と感じていれば、目盛りを進めることができるわけです。

英語教育においてはCAN-DOリストの作成が話題によく上がります。ですが、小学校の発達段階を考えた時には、「できる」「できない」の前に「少しはできる」「ちょっとはできた」といった部分があることが大切ではないでしょうか。
他の教科や指導の場面では当たり前にやっていることだからです。

(体育の授業)
「跳び箱は5段を跳ぶことが目標です。でも、今できない人は、カエルの足打ちを2回することから始めてみよう!」

(給食の場面)
「野菜が嫌いなんだね。でも、昨日は全部残したけど、今日は一口食べることができたね。がんばったな!」


小学校教師は1日の生活全てで教育を行うことが最大の強みだと思います。子どもの自尊心や意欲を育むために行っていることを、英語教育の中でも同様に行っていくことが大切だと考えています。

次回は目標達成度の自己評価が少しでも客観的になるように私が取り組んでいることを紹介したいと思います。

江尻 寛正(えじり ひろまさ)

倉敷市立連島南小学校 教諭
アクティブラーニングを意識した“子どもが学修する”小学校英語教育実践を紹介したいと思います。平成26年度「わたしの教育記録」(日本児童教育振興財団)特選受賞、「小学校外国語活動研修ガイドブック」(文部科学省)や「英語教育」(大修館書店)等で執筆協力。

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  • 常名 剛司

    静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭

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