2016.10.06
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一問リズム数考 その3

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん こんにちは。
 雨の日が続いていますね。運動会を控えている先生方は、気が狂いそうになっているのではないでしょうか。特に体育主任の先生はヒヤヒヤです。私もそうだったなあ・・と思い出しています。教師は焦るのですが、子どもたちも焦っています。早めに、職員で相談して、子どもたちに無理をさせない練習計画や種目に変える必要がありますね。

 さて、今回は「一問リズム数考」の3回目です。
 今回の方法は、繰り返し練習的な内容です。特に、算数や漢字など、反復練習が必要な内容で効力を発揮します。
 方法は、以下の通りになります。

 算数の授業、分数の仕組みを話し合い、子どもたちが見つけ、まとめが終わった状況です。

 教師:3分の1が2つ集まると3分の何になりますか?
    全員で言いましょう。さんはい。
 子ども達全員:3分の2!!
 教師:そうですね。よくできました。
    では、○○君からスタートで、一人ずつ答えを言ってもらいます。
    先生が問題を言います。その後、答えを言いましょう。
    パスでも構いません。パスの場合は、誰かがフォローしましょ
    う。答えだけでなく、なぜそうなるかも説明してくるとうれしい
    です。
    では、9分の1を何個か集めたら・・・で考えます。(9分の□と
    板書)
    ○○くん、2こ集めたら?
 ○○くん:9分の2です!!
 教師:すばらしい!!(次の児童)〜〜さん、8こ集めたら?
 〜〜さん:9分の8です!!
 教師:オッケー!!(次の児童)・・・さん、7個集めたら?
   以下、繰り返して、リズムよく全員行います。

 この方法の利点は、たくさんの基本的な問題を解きながら、内容を習得できるということです。計算ドリルなどで反復練習もしますが、その前に、この方法で練習することで、教師も子どもたちの定着度を確認できます。
 もちろん、注意することもあります。
 ・低学力の子への配慮です。低学力の子に難しい問題を出しては余計勉
  強が嫌いになります。そのような子には、一度出した問題を再度出し
  てもよいでしょう。
 ・時折、ほどよい緊張を入れることが必要です。最初は、列で順番にで
  もよいでしょう。しかし、気を緩めてしまう子も出てきます。
  この方法の利点の1つとして、短時間に数多く問題を解くことができるということがあります。
  つまり、クラスに30人いるのなら、30問解くことができるということです。かなりの定着になります。
  それには、自分以外が出題されていても、しっかりと聞いて、頭の中で問題を考えることが必要になります。
  そのことを、しっかりと話をしておきます。
  なので、時折、アトランダムに全員当てていきます。一回当たっても当
  てる場合があります。
 ・パスを許すことも必要です。どんなに簡単な問題でも、すぐに習得
  できる子ばかりではありません。考えて分からないのなら、パスも認
  めましょう。そして、誰かがフォローすればよいと思います。また、説
  明も子どもたちにさせます。その方が、パスした子も聞くのです。最後
  にパスした子に少し優しめの問題を出題します。できたら、盛大に拍
  手です。

 漢字でも行えます。漢字をフラッシュカードに書いておいて、それを順番に言う活動です。計算だけでなく、社会科や理科の単語でも応用できそうです。私も、まだまだ教材開発をしていきます。

 この記事を書きながら、「一番大切なのは、よりよい学級経営だな。」と心から思いました。「パスができる雰囲気」「友達がフォローする雰囲気」をつくることが大切なのです。

 私は、よく教授法の話を書きますが、全ての教授法が有効に働くには「よりよい学級経営」が大切なのです。

 次回からは、「学級経営」と「授業経営」の関係についてお話できたら思っています。

 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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