2011.11.10
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利府町立しらかし台小学校 校長 永山 伸樹 「見える復興、見えない復興」

第十八回は、宮城県の利府町立しらかし台小学校 校長 永山 伸樹さんの執筆です。

しばらくぶりとなってしまいました。前回以降、復旧工事はどうなっているのか教育事務所から確認の視察があり、現場事務所も建ち上がって工事前の点検を行う等、着々と進んでいます。しかし、金額的には大きなものがあり、安心して学べる校舎へ、ということでなかなか工事着工に至っていないのが現状です。

そんな中で、北海道の厚沢部町立厚沢部小学校 教頭 久慈 学先生からいただいた応援メッセージをありがたく読ませていただき、改めて今後の取り組みへの決意を持つことができました。

今年は本校が平成3年に開校して満20歳を迎える年でした。震災前は20周年記念事業について実行委員会を立ち上げ、式典や事業などの計画を練り準備を進めていました。しかしこの震災で記念式典は取りやめとなり、その事業も縮小の方向となっていたのです。でも子どもたちにもこの20周年の意義を伝えたいし、身内だけでも節目の活動をしたい、ということで、11月に行われる本校児童が開く店などで活動する『しらっ子まつり』に実行委員会・PTAも一緒になり『二十歳のお祝い しらっ子まつり』として行うこととし、11月19日に向けて今邁進しているところです。

その記念と復興支援の一環となる仙台フィルメンバーによる復興支援コンサートを過日開くことができました(詳しくは校長ブログ「校長室の窓から」をご覧ください)。 このコンサートは仙台フィルとしても200回目の記念ということでマスコミなども取材にきました。震災被害は津波被害に目が行くことが多く、県内のテレビ局としては本校はもとより利府町内の取材は初めてではなかったのではないでしょうか。津波でなくとも被害の大きい学校もあるのだ、ということを知ってもらうのにもいい機会になりました。そのコンサートが終わったあと、仙台フィル関係者の方が、
「多くの被災地でコンサートをしてきたが、しらかし台小学校の子どもたちはとても明るく元気ですね」
という言葉をいただきました。

特別教室を使いながら、日々シートで覆われた校舎を見ながら、狭い教室に大人数で入っての不便な学習状況ながら、子どもたちは日々明るく過ごしています。それを支える先生方も疲れた身を子どもたちには見せずに一生懸命取り組んでくれています。そんな子どもたちや先生方のためにも、早く「見える復興」が進んでいくことを願うばかりです。

平成23年11月3日

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