アメリカの教育は子どもたちの個性を尊重することで知られているが、こうした教室を目の当たりにすると、先生方の個性もまた子どもたちの学校生活を楽しくするための教室作りやクラス経営にしっかり生かされていることを実感する。
学校生活を楽しくするため、学校をあげての行事もある。ある日小学校の先生が「明日はwacky hair day(気違いじみた髪の日)なので皆があっと驚くようなヘアースタイルで学校に来ましょう」とおっしゃった。参加するもしないも子どもたちの自由だが、この日は突拍子もないヘアースタイルで学校に行ってもいいのだ。イガイガ、チリヂリ、トキトキ、ツンツンそして各種カラー染め…など、子どもたちはあっと驚くような髪形で登校し、一日じゅう皆で笑ったり笑われたりして過ごすのだ。「いったい何のために?」と深く考えてしまうのは日本人の悪い癖。理由なんてない。「楽しいから」ただそれだけだ。
ちなみにこうした、「何のために?!」と聞き返したくなるような腑に落ちない「日」はハイスクールにもある。
ゴールドの日 | 金色の服を着ていく日 |
ツインデー | 友達と双子のようにおそろいの格好をして行く日 |
パジャマデー | 学校にパジャマで登校する日 |
スーパーヒーローデー | アメリカンスーパーヒーローの格好をする日 |
アップサイドダウンデー | 逆さまの日 |
ざっとこんなところが、今までにあった変な「日」だ。スーパーヒーローデーには、スーパーマンや、スパイダーマン、バットマンなどの格好をした生徒たちが校内をウロウロしている。アップサイドダウンデーにはパンツをズボンの上にはいてしまったり、Tシャツの上にブラジャーをしたりと、いろいろな逆さまルックを実行する。パジャマデーにはパジャマで登校するだけでなく、ヘアースタイルがわざとボサボサだったり、ヘアカーラーを巻いたままだったりと彼らのアイデアには恐れ入る。とにかくワルノリ絶好調のお年ごろなのだ。
もちろんこうした変な日への参加は強制されるわけではなく、参加したい人だけが参加すれば良い。思いっきり趣向をこらしてノッてしまう生徒もいれば、見ているだけの恥ずかしがりやさんもいる。「アホくさ!」とシラケモードの生徒もいる。生徒に負けじとワルノリしておかしな格好で授業しちゃう先生もいるのはご愛嬌だ。学校は勉強するところ。だけど、学校生活を楽しくするためにはこんなおふざけも有りなのがアメリカの学校なのだ。
…がしかし、しっかり校則に縛られて日本の学校に通った日本人母の私は「これってほんとに学校?!」と叫ばずにはいられない。これらの出来事がフツウに感じられるにはまだまだ時間がかかりそうだ。
関連情報
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海外書き人クラブお世話係 柳沢有紀夫さん の本もご覧ください!
『オーストラリアの小学校に子どもたちが飛び込んだ.』
アメリカ・ミシガン州在住:椰子ノ木やほい
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