2004.09.06
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スペインの6月

今回も、スペインからの情報です! マドリッド日本人学校の、ペンネーム シエンシアさんからご投稿いただきました

バカンスで出かける海

バカンスで出かける海

6月は現地校の修了シーズンです。事実上授業は5月で終わりで、6月から学校は午前中だけになります。しかも第1週でほとんどは終了。第2、3週は希望者のみのサマースクールや進級か留年をかけたテストしかないので、ほとんどの児童・生徒は登校しません。暑くてみんなやる気はないので平気で学校を休みます。先生の出勤もまばらです。

 学校が終わると夏休みになります。学校の始業は9月上旬ですから、スペインの夏休みは3カ月間あります。日本の学校の夏休みの日数約42日に比べると、格段に長いです。一度韓国人の友人から「日本の夏休みは何日?」と聞かれたので、「約40日」と答えたら、「私たちと同じ位ね」という返事でした。しかし、スペイン人に同じ答えをしたところ、「信じられない!!」でした。

彼らはだいたい短くて2週間、ふつうは1カ月間、長くて2カ月間のバカンス旅行に出かけます。「たったの40日で何をするの」「バカンス旅行に行ったらそれだけで終わりじゃない」「3カ月あるから1カ月旅行に行って、2カ月間家でゆっくりしていられるのに」と、なぜか矢継ぎ早に責められたものです。

 スペインでは働く親も1カ月間の休暇が当たり前ですから、日本では、子どもの休暇だけが40日間で、親はもっともっと少ないと伝えたら、彼らから、さらに「なぜ?」「それでどうして辞めない」「不満はないのか」と質問攻めにあうでしょうね。

 では、バカンスシーズンに子どもたちは何をしているのでしょうか。おそらく1.旅行に行く、2.家で過ごす、でしょう。

プールのあるマンション(ピソ)

プールのあるマンション(ピソ)

では、家で過ごす子どもたちはどうしているかというと、家にプールがある子は自分の家やマンション(こちらではピソといいます)のプールで遊ぶか、お互いのプールを往来します。家にプールがない子は、プールがある子の家のプールを渡り歩きます。プールがある友人を持っていない子たちは、市営のプールに行きます。

市営施設にある子供用プール

市営施設にある子供用プール

ところが、この市営のプールは日本の感覚で考えると、低価格で入場できるとっても優雅で充実した素晴らしい施設なのです。広い敷地に一面の芝生が生え、レストランや木陰でゆっくりとできます。こうした施設や公園のベンチで延々とおしゃべりを楽しみ、のんびりと一日を過ごしています。サマータイムが導入されていますから、暗くなるのは夜の10時頃です。(日本では夜中と感じる)12時頃まで毎日たっぷりと遊んで、朝はゆっくり起きるのが、マドリッド流子どもの夏休みの過ごし方とでもいえるでしょう。
市営施設にある50mプール

市営施設にある50mプール

学校から宿題は出ないのでしょうか。答えは「出ない」です。日本人の私には遊んでばっかりいる子どもたちに、それでいいのか多少疑問に感じるところはあるのですが、スペイン人の友人は「子どもは遊ぶもの、夏休みにたっぷりエンジョイすべき」ときっぱりです。最近はそれでも「夏休み中に学ぶ問題集」なる物が店頭に並んでいて、教育熱心な親が買い与えています。が、たいがいの親は「そんなのばかげている」と思っているようで、さっぱり売れていないようです。

マドリッド日本人学校 ペンネーム:シエンシア
地図画像著作権:白い地図工房&学びの場.com

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