
子どもたちを学校に送り届けたあと、校内で昼寝をして待つ母親たち。まさしくのんびりモードのサモアならではの光景。
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南の島サモア
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こちらは手芸をしながらおしゃべりをして時間を潰す母親たち。
ポリネシアの伝統を今も強く重んじるサモアには「分かち合い」という文化がある。「私のモノは私のモノ、あなたのモノはあなたのモノ」という西洋的な個人主義は通らない。サモア流は「私のモノはあなたのモノ、あなたのモノは私のモノ」と思ったほうがいい。そんな背景もあってか、うちの子どもが定規を忘れた時に、お友達が自分の定規を半分に折って貸してくれたという話しを聞いた時には驚いたと同時に思わず笑ってしまった。ここでは「モノを大切に」という観念より、「分けてあげる」ことの方が大事なのかもしれない。
実際、その「分かち合い」を理解して初めて納得のいくことは多い。中学に通っていた次男はいつもお弁当を持参していたのだが自分の弁当を自分だけで食べることはなかった。いつもの気の合う仲間といつもの木陰でお弁当を食べるのにも、まずはそこにいるメンバー全員が持っている食べ物や飲み物、飲食代としてお金を持ってきた者はそのお金(弁当代が1ターラの者は1ターラ、5ターラの者は5ターラ)を中央に差し出す。その集まった現金を持って誰かが売店に走る。そして購入した食べ物と集まったすべての弁当を全員で均等に分けて仲良く食べていた。たとえ、仲間のひとりが弁当も弁当代も持っていなくとも仲間外れになることはなく、そこに居た者は皆、均等の分け前にありつくというなんとも平等のような不平等のようなサモアらしいルールでランチを分かち合っていた。

学校内の売店に群がる小学生たち。

皆のお弁当を真ん中に置いて、それを分け合って食べる中学生たち
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雨の後の水溜りは子ども達の絶好の遊び場となる。
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待っているお母さんといっしょにお弁当を食べるのは毎日がピクニックみたい。
関連情報

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『オーストラリアの小学校に子どもたちが飛び込んだ.』
サモア在住:yahoi
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