スペイン人の食事は一般的に5回。お目覚め一番、コーヒーやクロワッサンなどのごく軽い食事で一日がはじまります。続いて、ひと仕事したあと、午前10時ごろから《アルムエルソ》と呼ばれる日本でいう朝食にあたる食事。次に、量・時間的にも一日の中で一番たっぷりとした昼食《コミーダ》が午後2時ごろから4時ごろまで。そして、夕方のティータイムに、遅めの夕食。大人の時間帯と子供の時間帯は多少の違いはあるものの、大体は、この食事スケジュールにしたがって一日が回転します。
バレンシア郊外の人口約9000人という小さな町リリア。ここにある公立小学校が、我が家の子ども達が毎日通う学校です。彼らの毎日はこういう感じです。朝、眠い目をこすりながらココアとビスケット、シリアルなどを胃に詰め込んで、8時30分の通学バスに飛び乗って9時登校。10時半の音楽とともに朝食タイムのスタート。45分間の休憩のあと、授業を再開し、午後1時から昼食。午後の授業は3時から5時までの2時間。この時間割でいくと、つまり、朝食と昼食の2食を学校で食べることになります。
では、気になるもう一方の食事はどうなるのでしょう。実は、朝食がスペインの学校でいうお弁当タイムになるのです。お弁当の大半はボカディージョと呼ばれるスペインの国民的食べ物。フランスパンを水平に半分に切り、ハムやチーズ、トルティージャ(スペイン風のオムレツ)フライなど好みの具を挟み込んだパンがボカディージョです。子どもたちだけでなく、大人にとってもボカディージョは朝の定番メニュー。バールと呼ばれる軽食屋では、みんな美味しそうにボカディージョを頬張ります。大きさも具も様々な子どもたちのボカディージョ。アルミホイルにしっかりと包んで、さあ、登校です。
写真を撮影した日はあいにく曇り空でしたが、子ども達はそんなことはお構いなく、ボカディージョを片手に元気に校庭を走り回っています。
「今日のアルムエルソ、見せてもらえるかなぁ?」
私の鼻先ギリギリに集まったアルムエルソ。ボカディージョのほかに、ピス
トと呼ばれる野菜のトマトソース煮のたっぷり詰まったパイやピザのようなパ
ン、サンドイッチやロスキジェータスという焼き麩のような食べ物を持ってき
ている子もいるようです。
「ねぇ、何が入ったボカディージョが一番好き?」
「ハムとチーズ!」
「ソーセージとトルティージャ!。でも私、ツナは嫌いなの。」
意見は分かれます。そして、やっぱりいました甘党君。
「ぼく、チョコ・スプレット!」
子どもの好みはやっぱり万国共通ですね。
関連情報
http://gogo.chips.jp/kakibito/
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『オーストラリアの小学校に子どもたちが飛び込んだ.』
スペイン リリア在住 片岡茶多
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