2004.05.18
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スペインのお弁当

今回は、スペインはバレンシア郊外の人口約9000人という小さな町リリアに在住の片岡茶多さんからの投稿です! 1日5食というスペインのお弁当事情は!?

元気にボカディージョを 頬張る子どもたち

元気にボカディージョを 頬張る子どもたち

スペイン人の食事は一般的に5回。お目覚め一番、コーヒーやクロワッサンなどのごく軽い食事で一日がはじまります。続いて、ひと仕事したあと、午前10時ごろから《アルムエルソ》と呼ばれる日本でいう朝食にあたる食事。次に、量・時間的にも一日の中で一番たっぷりとした昼食《コミーダ》が午後2時ごろから4時ごろまで。そして、夕方のティータイムに、遅めの夕食。大人の時間帯と子供の時間帯は多少の違いはあるものの、大体は、この食事スケジュールにしたがって一日が回転します。

 バレンシア郊外の人口約9000人という小さな町リリア。ここにある公立小学校が、我が家の子ども達が毎日通う学校です。彼らの毎日はこういう感じです。朝、眠い目をこすりながらココアとビスケット、シリアルなどを胃に詰め込んで、8時30分の通学バスに飛び乗って9時登校。10時半の音楽とともに朝食タイムのスタート。45分間の休憩のあと、授業を再開し、午後1時から昼食。午後の授業は3時から5時までの2時間。この時間割でいくと、つまり、朝食と昼食の2食を学校で食べることになります。

それぞれ好みの朝食を 持って学校へ

それぞれ好みの朝食を 持って学校へ

スペインの小学校の多くは、日本と同様、給食システムを取り入れています。でも、ちょっと違っているのが、ここでは一日あたりの食事代が決まっていて、食堂を利用した分だけ支払うシステム。親の都合や、学校から家までの距離があるなどの理由で帰宅できない子ども達は食堂へ、その他の子どもたちは家に帰って食べたあと、3時にふたたび登校するということになります。ちなみに今年の食事代は、おかず2品にパン、サラダ、デザート付で一食あたり3.4ユーロ。この学校では、食事はすべて学校内に設置された厨房で用意されていますが、ケータリングによる給食システムを採用している学校もあります。
子ども達のお弁当、 大集合!!

子ども達のお弁当、 大集合!!

では、気になるもう一方の食事はどうなるのでしょう。実は、朝食がスペインの学校でいうお弁当タイムになるのです。お弁当の大半はボカディージョと呼ばれるスペインの国民的食べ物。フランスパンを水平に半分に切り、ハムやチーズ、トルティージャ(スペイン風のオムレツ)フライなど好みの具を挟み込んだパンがボカディージョです。子どもたちだけでなく、大人にとってもボカディージョは朝の定番メニュー。バールと呼ばれる軽食屋では、みんな美味しそうにボカディージョを頬張ります。大きさも具も様々な子どもたちのボカディージョ。アルミホイルにしっかりと包んで、さあ、登校です。

 写真を撮影した日はあいにく曇り空でしたが、子ども達はそんなことはお構いなく、ボカディージョを片手に元気に校庭を走り回っています。

「今日のアルムエルソ、見せてもらえるかなぁ?」
 私の鼻先ギリギリに集まったアルムエルソ。ボカディージョのほかに、ピス
トと呼ばれる野菜のトマトソース煮のたっぷり詰まったパイやピザのようなパ
ン、サンドイッチやロスキジェータスという焼き麩のような食べ物を持ってき
ている子もいるようです。

「ねぇ、何が入ったボカディージョが一番好き?」
「ハムとチーズ!」
「ソーセージとトルティージャ!。でも私、ツナは嫌いなの。」

意見は分かれます。そして、やっぱりいました甘党君。

「ぼく、チョコ・スプレット!」

子どもの好みはやっぱり万国共通ですね。

関連情報
記事協力:海外書き人クラブ  
http://gogo.chips.jp/kakibito/

海外書き人クラブお世話係 柳沢有紀夫さん の本もご覧ください!
 『オーストラリアの小学校に子どもたちが飛び込んだ.

スペイン リリア在住 片岡茶多
地図画像著作権:白い地図工房&学びの場.com

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