今月から新たに始まった「海外の学校から」。学びスタッフが投げかけるお題について、投稿をお寄せいただき、ご紹介するコーナーです。
第1回目のお題は「あなたの国で使われているお金」です。さて、どんなお金が使われているのでしょう。月々の生活費は? 円に換算したらいくらくらいなの? などなど、お金に関するエピソードも一緒にご紹介しましょう。
スイス チューリッヒ日本人学校
お札は、10、20,50,100,200,1000フラン コインは、1、2、5フラン、5、10、20、50ラッペン(サンチーム)です。
サウジアラビア ジェッダ日本人学校
コインには、10、25、50ハララがあります。写真は25ハララコインです。お札には、1、5、20、50、100、200、500リヤルがあります。写真は、10リヤルと500リヤルです。
イラン テヘラン日本人学校
お米1kg、タクシー2km以内、ガソリン20リットル、クロワッサン20個、牛乳1リットルパック3本、卵20個、ジャガイモ普通サイズ15個などです。国内のもは安く手に入る一方で、カップラーメン1つ450円に代表されるように、外国製品は、2から3倍はします。
一ヶ月生活するには、200万R(約3万円)必要といわれます。しかし、これだけの収入がある人はテヘラン市内でも多くはありません。そこで、仕事が終わると、夕方からタクシー運転手など、別の仕事をして、生計を立てる人が多いです。
オーストラリア メルボルン日本人学校
写真のとおり、オーストラリアの札もいろいろな種類がありますが、実際には100ドル札はふだん使いません。また、コインもたくさん使われていて、2ドル、1ドル、50セント、20セント、10セント、5セントの6種類があります。なお、100セントで1ドルです。
ここまで読んですでに気がついた人もいると思いますが、1セントコインがないのです。つまり、お金を払うときにはもらうときには、切り上げや切り捨てが行われます。 (1・2セントは切り捨て、3・4セントは5セントに切り上げ、6セントは5セントに切り下げ、7・8・9セントは10セントへ切り上げ)
ちょっと聞くと不安になると思いますが、なれると気にならなくなります。
ブラジル サンパウロ日本人学校
ブラジルでは、リオが遊んでいる間にサンパウロが仕事をする。
というように、経済の中枢です。したがって、日本人学校の規模もブラジル最大です。
写真の紙幣は、1real(ポルトガル語でヘアウ)札。…複数はreais(ヘアイス)です。コインはcentabo(センターボ)で100センターボが1ヘアウです。
アルゼンチン危機のあおりを受けて、ヘアウが今どんどん下がっており1ヘアウ…35円くらいになったところです。ちなみに、コーラやジュース、ビールが1缶0.8ヘアウ程度。みそ…3ヘアウ、しょうゆ…900mlが3ヘアイス程度(ブラジル製)です。日本からの輸入食品ラーメン・・・2.5ヘアイス。カップうどん、ラーメンは6ヘアイス位です。
スペイン マドリッド日本人学校
ユーロは写真のように紙幣とコインがあります。紙幣は5、10、20、50、100、200、500ユーロ札があります。紙幣の大きさは高額ほど大きくなります。
コインもやはり高額ほど大きくなります。ユーロ以下の単位はセント(スペインではセンティモといいます)です。1、2、5、10、20、50センティモコインと、1、2エウロコインがあります。この1エウロコインは造幣する国によって図柄が違います。写真の右側はスペイン発行のもの、左側はポルトガル造幣のものです。
私は今までフランスやポルトガルのコインは見かけましたが、その他の国のものは見かけませんでした。こちらでは当たり前のように感じていますが、いろいろな国がつくったお金を一緒に使うようなことは日本では考えられませんね。
流通している紙幣は、5、10エウロが圧倒的に多く、いつもぼろぼろです。50エウロ(日本円で6000円)紙幣でも、日常では使いにくいというのが、正直な感想です。100エウロ紙幣を使うときには、場所と時間を考えないとなりません。高額な商品を置いてある店やデパート、大型スーパー以外では、使えません。使えても両替にしばらく待たされます。あるときはレジで10分も待たされ、後ろに並んだ人とは目を合わせないようにしましたが、気まずいのなんのって、辛い時間でした。
私は一度だけ500エウロ(6万円)紙幣を手にしたことがあります。このときは、使うことはできないし、落としても忘れてもスリにあっても大変なので、大変困りました。スリや強盗被害も少なくないので、お金を持ち歩くときはいつも注意が必要です。もちろん後ろを常に振り返りながら最後は走って銀行に直行しました。
それほど、スペインでは多くの人たちが質素な生活をしていますし、物価も日本と比べれば少し安いです。例えばフランスパンや缶ビールは0.4エウロ(50円)くらい、ワインも5エウロくらいです。(もちろんもっと高級なものもあります)
お店(あちこちにバルと呼ばれる、お酒とお茶が飲める店がある)で飲むコーヒーや生ビールは、1杯1エウロくらいです。日本の缶ジュースくらいの値段で、お店で飲み物を楽しめるのもスペインのいいところですね。
こどもたちのおこずかいですが、もちろん家庭によって違いますが、多くの小中学生はおこずかいをもらいません。中学生でもらう子どもで、月に20エウロくらいでしょうか。欲しいものがあったらそのときに親に相談して、買ってもらうというのがこちらのやりかたのようです。
ヴェネズエラ カラカス日本人学校
●ヴェネズエラお金事情について
ヴェネズエラの貨幣の単位は、Bs(ボリーバレス)です。これは、この国の独立の際活躍したシモン・ボリバルからとったものです。紙幣と硬貨がありますが、これがなんと紙幣11種類硬貨10種類もあります。そのうえ紙幣8種、硬貨全部にシモン・ボリバルの肖像があるので、とても間違いやすいです。
右の写真、紙幣については上段左から以下の通りです。
二万、一万(新)、一万(旧)。
五千、二千(新)、二千(旧)。
千(新)、千(旧)、五百。
百、五十、二十。
十、五。
為替の変遷を見ると、1986年に1$=20Bsだったのが、1993年1$=100Bs、1997年1$=500Bs、2001年740Bs、そして2002年10月現在1$=1480Bsと、とんでもない通貨下落状態です。これに伴って五千以上の紙幣が順次発行されたわけです。
右の硬貨写真をご覧ください。上段左から以下の通りです。(単位はすべてBs)
0.25、0.5125
10、20、50、100、500
下段のコインは3年ほど前から使われています。ご覧になって分かるように、上段旧コイン(現在は作られていません)の方がひとまわり大きいです。
●子どもたちのお小遣い
学校でおやつを買ったりするお金はその都度与えているようで、小学生段階で決まった小遣いを与える家庭はほとんどないようです。
●日本円にすると、
2002年10月現在、1円=12Bsです。従って、20000Bsと言っても、1700円弱と言うことになります。
●余談ですが・・・
この国は産油国だけあってガソリンの値段は取っても安いです。おまけにBs安のため、現在1リットル7~8円です。満タンにしても300円と言ったところでしょうか。
メキシコ アグアスカリエンテス日本人学校
私たちの暮らすアグアスカリエンテスはメキシコの中央高原に位置します。この国でも3番目に小さな州ですが日産自動車の巨大な工場が進出し,日系企業も多くあり地方都市の中では比較的豊かな町です。
メキシコの通貨はペソです。現在1ドルが約10.15ペソです。1ドルを122円とすると1ペソは12円くらいになります。
メキシコの物価も決して安くはありません。IVA(イバ=付加価値税)とよばれる日本の消費税のようなものもありますし,ぜいたく品の税金は高いです。
しかし,食料品などは日本に比べるとずいぶん安いです。たとえば日本のコンビニでダイエットコークを買うと130円くらいでしょうか。メキシコのコンビニでは6ペソくらいです。日本円にすると72円くらいです。
メキシコの子どもたちもお小遣いをもらいます。メキシコの給料は毎週金曜日の週末払いが多いようです。そのためかロス ドミンゴス(los Domingos)といって, 子どもたちも毎週日曜日に10~20ペソ程度のお小遣いをもらうようです。
もちろんお小遣いのあげ方は各家庭まちまちです。車をあらってお手伝いをしたから20ペソもらうとか,お誕生プレゼントのかわりにおばあちゃんから50ペソもらうとか, そのようなこともあるようです。
いずれにしても金額的には日本のお小遣いよりもすくないかもしれません。子どもたちの使い道はおやつ程度なのでそれでよいのでしょう。
(チューリッヒ日本人学校 高松さんより)
(ジェッダ日本人学校 ジッダ子さんより)
(テヘラン日本人学校 田中 稔さんより)
(メルボルン日本人学校 高橋さんより)
(サンパウロ日本人学校 小酒井さんより)
(マドリッド日本人学校 小林輝明さんより)
(カラカス日本人学校 山岡清孝さんより)
(アグアスカリエンテス日本人学校 渥美廣剛さんより)
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