2014.12.29
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担任だからできるコミュニケーション能力の素地の育て方 PART2!

倉敷市立連島南小学校 教諭 江尻 寛正

 

2014年が終わろうとしています。今年はどんな年だったでしょうか。

私は自分に任されている仕事にプラスして、長年かかわってきた外国語活動で貢献できることを模索しながら過ごしてきました。

この「学びの場.com」で執筆させていただいたのもその一つです。他にも東京書籍Eネットなど、情報発信をいくつかさせていただきました。また、英語教育推進リーダーとして研修に参加させていただき、これからそれを講師として研修させていただく機会も控えています。そして最後に、今年度は日本児童教育振興財団主催の「わたしの教育記録」の論文で「特選」をいただくことができました。身に余る賞ですが、外国語の教科化をひかえる今、何か少しでもお役に立てればという思いで書いたものです。1月以降、以下のところで発表される予定です。

 

・教育技術.net    http://family.shogakukan.co.jp/teachers/education/info_contest/
・小4教育技術2/3月号(1月15日発売予定) 小学館
・小5教育技術2/3月号(1月15日発売予定) 小学館
・総合教育技術2月号(1月15日発売予定) 小学館

 

お読みいただければ幸いです。

今年最後の情報提供です。2015年もよろしくお願いします。

 

 

 BRASILの風(4)の解説

  前回の続きから。

 私が聞いた中でのブラジル人がイメージする「日本食」とはなんだったでしょう。

 1つ目は寿司。2つ目は焼きそば。では、3つ目は?

 答えはなんと・・・”SHIMEJI”です。

 一読するだけではなんのことか分からないかもしれません。なので再度、答えはなんと”しめじ”です。サンパウロの日本人街では”SHIMEJI”と書かれた屋台をよく見ます。日本食レストランでは必ず出てきます。ブラジル人に人気のメニューの1つです。食べ方はしめじをバターやオリーブオイルでいためて、しょうゆを少しかけたものです。料理と呼ぶのもなんだかなあと思うほどですが、私がブラジル人に聞いた中での三大日本食の1つでした。基本的に肉食のブラジル文化の中で、きのこ類はめずらしいのかもしれません。

 

 担任だからできるコミュニケーション能力の素地の育成 PART2!

 前回は、定型の英語表現を覚えるのではなく、そこに至るまでの担任と児童とのかかわりや、言葉が使われる場面を意識する大切さについて書かせてもらいました。素地を育てるイメージはもっていただけたかと思います。

 今回は、イメージだけではなく、さらに具体的な取り組みを1つ紹介させていただこうと思います。

 

週に1回よりも、週に2回、3回・・・毎日の方が効果的!

 現在、外国語活動は週に1回行われることになっています。

 その中でコミュニケーション能力の素地を養うことが目標になっています。それを達成するために、授業の中で様々な活動を行います。ですが、全ての活動がうまくいくわけではありません。うまくいくこともあれば、子どもも同士のトラブルがあって時間が足りなくなったり、指示を出してもうまく伝わらずに思いとは違う方向に進んでしまったりすることも少なくないと思います。それを取り戻すために、次の時間に復習をしながら前時の遅れを取り戻す・・・。ですが、週に1回しか授業はないので、前の授業を思い出すだけで時間がかかるのが実際のところだと思います。

 つまり、週に1回では後手後手の対応になることが多いのではないかということです。

 

 では、それに対する対応は?週に2回にする?いや、3回?

 実際、週3コマ程度という数字は文部科学省が英語教育実施計画として発表しています。(http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2014/01/31/1343704_01.pdf

 

 しかし担任が外国語活動を行うならば、週に2~3回外国語活動を行う以上の効果を期待できる取り組みがあります。コミュニケーション能力の”素地の素地”を養うことをめざした実践です。

  

 朝の会でのペアトーク

  私のクラスでは、朝の会の中でペアトークを行っています。行い方は以下の通りです。

(1)2人組で行う(週によって、隣・前後・ななめと変わる)。

(2)テーマは曜日によって変わる。 ★冒頭の写真をご覧下さい

(3)一方が聞き手(質問をする)、他方が話し手。

(4)1分間続けることを目標とする。

(5)1分間を計測し、続いたところに拍手を送る。

(6)役割を変えて、再度、1分間行う。

(7)続いたところに拍手を送る。

(8)クラスの子どもの名前が書かれたカードの中から1枚選ぶ。

(9)選ばれた子どもに質問をした子が、選ばれた子のことについて話をする。

 

 選ばれた子が自分のことを話すのではなく、その子と”対話をした子が話す”というのがポイントです。「相手の話をしっかり聞こう」という態度を育てるためです。この力はコミュニケーション能力の素地のひとつだと考えるからです。

 また、開始前にはサイコロを日直がふるようにしています。そして、1の目が出た場合は「日本語禁止」で同様に行います。子どもたちは、英語を使ったり、ジェスチャーを駆使したりしながらコミュニケーションをはかっていきます。どのクラスでやっても、1の目が出た場合は特に盛り上がります。担任としても、コミュニケーション能力の”素地の素地”を育てている感覚が大きいです。

○担任だからこそ確保されている朝の時間をいかすこと。
○その中で、毎日コミュニケーション能力の”素地の素地”を養う活動を入れること。

 これらを続けることで、外国語活動の授業でのインタビュー活動が充実してくるのは想像できると思います。また、外国語活動に限らず、他の教科の話し合い活動でもいきてきます。話し合い活動の充実は子どもたちの力を伸ばすために必要不可欠だと思います。

 

 各教科での話し合い活動が充実するための素地作りとして、朝の会のペアトークやってみませんか?

 それは外国語を通じてコミュニケーション能力の”素地を養うための素地”を育てることになると思います。

 

 BRASILの風(5)

  ブラジルで生活すると、驚くことが多くありました。その1つ、スーパーでの出来事を紹介します。まずは、行列の長さです。月に1回程度しか買い物に行かない人が多いらしく、日本では信じられない量を買うからです。また、レジの人と買い物客とのおしゃべりが長く(日本だとクレームになりそうですよね)、待ち時間がどんどん長くなります。

 ではそれ以外に、日本では信じられないようなことがありました。さて、それは何でしょう。

 (1)おつりがアバウトで、少し足りなかったり、少し多かったりする。

 (2)まだお金を払っていないものを食べる。

 (3)野菜の必要ない部分(皮など)をはいで捨てる。

 正解は次回に! 

江尻 寛正(えじり ひろまさ)

倉敷市立連島南小学校 教諭
アクティブラーニングを意識した“子どもが学修する”小学校英語教育実践を紹介したいと思います。平成26年度「わたしの教育記録」(日本児童教育振興財団)特選受賞、「小学校外国語活動研修ガイドブック」(文部科学省)や「英語教育」(大修館書店)等で執筆協力。

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  • 常名 剛司

    静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭

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