2023.05.31
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なにが幸せなのか考え直してみる

子どもにとって、学校で授業をする上でなにが幸せなのか考え直してみました。

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭 五條 晶

授業の中での幸せって何だろう?

学校に通う子は学力や家庭環境などさまざまな観点から見ると本当に、様々な子がいますよね。
正直学校に来るだけで偉いなあと思う子もたくさんいますよね。

そんな子たちを見て、学校での幸せって何なんだろう?と考えてしまうことがあります。
「今日も学校かあ」と自分に言い聞かせて、あるいは「今日もがんばれ!」とおうちの方に背中を押され、登校する子どもたちが「今日学校に来てよかったなあ」と思えることって何でしょうか?

学校においての幸せや楽しみ・・・と考えると
「友達に会うこと」「友達と遊ぶこと」が子どもの反応として多いですね。
たまに「〇〇先生と会うこと」という子もいますね!

ただ学校生活において、切り離せないのは勉強の時間である「授業」です。
学校生活の7,8割は授業の時間なので、子どもは嫌でも向き合わないといけない時間となります。

それでは「授業」においての幸せって何でしょう?
そんなことを考え直して今やっていることについて話していきます。

今までの自分は?

初任の頃から3年目くらいまでは、学力や技能さえつけば、授業での楽しさや幸せはついてくるもの。
と思い込んで、学習指導をしていました。

例えば、テストがあれば全員100点目指して朝、登校してからの時間や昼休憩前など時間を作りプリント学習などでスキルトレーニングをしていました。
体育であれば、後転ができない子がいたら、「練習したい子は体育館に集合ね!」と言って来た子と一緒に練習もしました。
今考えると、私や周りの子の「がんばろう!」という圧に苦しかった子もいたのかもなあと思います。

そんな中、去年から低学年を担当させてもらい、考え直すきっかけとなったのは体育です。
低学年の体育の単元名は「〇〇遊び」となっているのです。例えば鉄棒であれば「鉄棒遊び」のようになっています。
この「〇〇遊び」に出会ったことで、授業においての子どもの幸せについての考え方が変わりました。

自分オリジナルの技を考えよう!

自分の技を考えよう

体育の「〇〇遊び」では、遊びながら、様々な運動に慣れ親しんでいきます。
今月に体育の「鉄棒遊び」でやったことは、「自分の技を考えて紹介しよう!」です。
単元の最初では「ダンゴムシ」や「豚の丸焼き」などいろんな技で遊んだ後に、自分の好きな技で遊んだり、オリジナルの技を考えて紹介したりします。

これがけっこう楽しくて、「僕はゴリラ回りします!」とか「ハンドスピナー回りします!」など「一体なんだそれ??」と教師の興味をそそるような面白いものがけっこうあります。
これをクラスの友達に紹介するのがまた面白いです。
「それやってみたい!」「どうやるの?」と反応する子に、「こうやるんだよ!」と自慢げに教える子。
とっても満足そうに遊びます。

こんな姿を見ていると、たくさん練習して何か技を体得するのも満足感に繋がると思いますが、自分から「こんな技できる?」と、誰かに見てもらって「すごい!」とか「がんばれ!」とか反応をもらうことも、すごい満足感につながるんだなあと思います。
最初でも書きましたが、友達と遊ぶこと会うことで学校が楽しいなあと思う子がいます。
やっぱり人との関りで満足感を得られる子はいます。
そんな関わりを促すことが、今は授業における子どもの幸せのために私ができることなのかなあと思っています。

五條 晶(ごじょう あきら)

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭


授業を通した「みんなで分かる!」「みんなが楽しい!」集団づくりを目指し、試行錯誤しています。

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