2022.10.20
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学び続ける原動力

自己紹介と教師としての学びの原点、学びの原動力について書かせていただきました。
半年間の執筆、どうぞよろしくお願いします。

大阪市立野田小学校 教頭 石元 周作

よろしくお願いします

「教育つれづれ日誌」の読者の皆様、はじめまして。
今回から執筆を担当させていただきます石元周作(いしもとしゅうさく)と申します。
大阪市で教員をしております。現在、教務主任で年齢は40代後半ともうベテランと言われる年代になってきましたが、教員になったのが20代後半と遅く、勉強が足りないことを痛感する日々です。

振り返ると、これまで先輩方や友人、保護者の方からたくさんのことを教えていただきました。また、書籍や何より子どもから学んだことも数え切れません。現在進行形の学びも含めて、学びを整理しながら執筆したいと考えています。どうぞよろしくお願いします。

核となるもの

現在、自分の教育活動の中で核になっているものは「ファシリテーション」と「社会科」です。ファシリテーションに関しては30代のころに一番興味・関心があり、多くの方から学ばせていただきました。いわば学級経営的な面での核です。
社会科は新任の際の隣のクラスの先生が社会科を研究されていたことからの縁で、継続して学んでいます。教科教育での核になっています。
主にこの2点から執筆させていただこうと考えています。

学び続ける原動力

幸いにもこの年になっても「学び続けたい」と思えるのは学ぶ楽しさを知ってしまったからというのもありますが、その原点というか原動力になっているのは、教師になった初年度のことに集約されます。

それまで定職に就かず、音楽活動に勤しんでいた私は、音楽活動に限界を感じ、定職に就こうと動き出したのですが、そこで頼りになる武器は「教員免許」しかありませんでした。教員になることを決めた私でしたが、「現場を知って勉強する必要がある」と妻にアドバイスをされ、講師登録をするとすぐに電話がかかってきました。

今時の小学生って

いきなり6年生担任でした。しかも10月半ばからです。今なら何となく推測はできるのですが、その当時は能天気に「こんなにすぐに働くことができるのはラッキーだ」くらいにしか思っていませんでした。しかし、読者の方も推測されると思いますが・・・そうです。学級崩壊したクラスでした。

最初に思ったのは「今時の小学生ってこんな感じなのか」でした。もちろんそんなわけはないのですが、子どもたちがこれだけ変わる状態を作りだしてしまう学校の怖さをひしひしと感じました。

教壇に立つのが初めてで何の教育技術もない状態、いわば丸腰の状態で、学級崩壊の渦中にいる子どもたちの信頼を勝ち取り、良い関係を築き、楽しくわかる授業ができるわけがありません。校内の様々な先生方に山ほどアドバイスをいただき、精神的にも支えていただきましたが、クラスは良くなるどころか状態が悪化していく一方でした。この時のエピソードだけで何時間もお話する自信はあります。
例えば、私が休み時間にトイレにいって教室にもどってくると鍵がかっており、中から大きな笑い声や「入ってこられるなら入ってこい~」といった挑発する声が聞こえてくる・・・つらすぎる体験というのは自分の中で記憶を抹消してしまうのか、記憶が飛んでいるようなところもあります。

子どもたちは大人(特に教師)に対して不信感を抱いていたのでしょう。いろいろな先生が入ってくださるのですが、その先生らにも反発し、指示が通らないことも日常でした。

しかし、先生によってはクラスが静かになり、授業が進むこともあります。その相違を見せつけられた私は、思考せざるを得ません。何が違うのだろうか?
ただ、何も身に付けていない自分でもその先生の授業の面白さは理解することができました。不純な動機で教師という道を選んだ自分を後悔しつつも、「生半可な気持ちでは教師は務まらない」ことだけは痛切に感じました。「もう勉強するしかない」と覚悟を決めました、と書くとかっこいい感じですが、もう生きていく手段としてそこしか残された道がないという悲壮感に近かったように思います。

教師としての力量

最終的には卒業まで担任を続けることができましたが、クラスの子たちには申し訳ない気持ちしかありませんでした。保護者の方に「ご苦労様」と花束を渡されたときは「本当に疲れた」と涙があふれたのを思い出します。全く涙もろくない自分が涙を流していることに驚きながら、「教師としての力量をつけたい」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。

この半年間の子どもたちとの出会いが私の原動力となっています。では、今の自分がその当時の子どもたちを担任としてもつことはできるのか、と言われると「大丈夫です」とはっきり言える自信はありませんが、「何とかやってみよう」くらいには成長したかもしれません。
日々勉強です。子どもと共に学び続けることが教師の仕事でもあると考えています。

読者の皆様、半年ですがよろしくお願いします。

石元 周作(いしもと しゅうさく)

大阪市立野田小学校 教頭


ファシリテーションを生かした学級づくりと社会科教育に力を入れて実践してきました。
最近は、書籍からの学びをどう生かせるかや組織開発に興味があります。
統一性がない感じですが、子どもの成長のために日々精進したいと考えています。

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

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