コロナ禍でも、行事は必要?
コロナウィルスが現場に与える影響は大きく、特に沖縄県では感染者が1,000人を超える日が続き、現場の対応が問われることが多くありました。
その中で話題に上がるのは行事についてです。
「そもそもみんなを集めて感染リスクを高めてまで、この行事をやる必要があるのか」
という話になります。
これから書く話は、2年前のコロナが流行り始めての頃の話です。
しかし、現在もコロナの影響は続いています。今一度、行事は何のためにあるのか考えるきっかけになればいいなあと思います。
沖縄県宮古島市立東小学校 教諭 五條 晶
行事は何のためにあるの?
コロナの影響を受け、今まで当たり前のように行っていた運動会や音楽発表会などの行事を中止する学校も増えています。
そんな中、私の学校では運動会についての職員会議で2つの意見が出ました。
①「コロナに対して不安な家族もいる中、運動会は中止の方がいいのではないか」
②「コロナ禍の今だからこそ、子どもを明るく元気づけるために、制限してでも運動会を行った方がいいのではないか」
両者の意見はどちらも正解だと思います。大事なのはその意見が「子どものためになっているか」を今一度、見直すことだと思います。
運動会1週間前に事件発生!?
9月の職員会議の結果、運動会は様々な制限を設けての11月開催となりました。
そして私たち5年生は組体操とソーラン節をセットで練習し、いよいよ運動会1週間前となったある日、事件は起こったのです・・・。
なんと宮古島で感染症予防対策レベルが上がり、組体操での2人技などの組技ができなくなってしまったのです。
さあ、本番まで1週間。あなたならどうしますか。
子どもたちに相談すると・・・
まずは子どもたちへ組技ができなくなってしまった事を伝え「何かいいアイデアはないか」と相談することにしました。
すると、
「せっかく今まで練習してきたものを無駄にしたくないよね」
「接触しなければいいんだから、1人技を上手く組み合わせて2人技や3人技をすればいいんじゃないかな」
という意見が出ました。
そこで、私自身も一緒にアイデアを出しながら、会話をつなげていきます。
「なるほど!それはいいアイデアだね。じゃあ、こんな技どうかな?」
と、このように話を進めていったところ、一週間前の変更という事件に子どもは落ち込むどころか、やる気はマックス。
その後クラスで練習した後、学年に見本として技を教え、1週間後の本番には見事変更した技をすべて上手にやり遂げたのです。
保護者からのお手紙
後日、保護者の方からのお手紙をもらいました。その一部を紹介します。
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運動会、とても感動しました。一生懸命な姿を見て、学校でこんなにも頑張っているのだなと思いました。我が子だけでなく、思春期に差し掛かった難しい学年の子どもたちが、こんなにも素直に真剣に取り組んでいる姿に胸を打たれました。物々しい現状のなかで、我慢させられたり、思うようにいかないこともたくさんあったと思います。そんな中で子どもたちの頑張りが、本当に眩しかったし、とても誇らしかったです。本当にありがとうございました。
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とても嬉しいお手紙でした。
私にとって、行事とは・・・
子どもの練習へ向かう姿や保護者のお手紙を読んで思うことは、「行事は保護者に子どもの頑張りを認めてもらう最高のチャンス」だと思います。
そして今回は、たとえ1週間前に事件が起ころうが自分たちのアイデアとみんなのやる気で乗り越えられたという成功体験も積むことができました。
これからも、会議でいろんなことが決定されていきますが「子どものためになっているか」という視点を大切にしたいです。
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