2022.04.15
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折れ線グラフの学習ってこんなに楽しかった!?

初めまして。この度学びの場にてエッセイを書かせていただくことになりました。沖縄県宮古島市立東小学校の五條晶と申します。よろしくお願いします。

4月は授業開きから始まります。教師としては、クラスの子ども全員が授業に興味をもってほしいですよね。最初の授業はその第一歩となる大事な授業となります。今回は4年生で行った最初の単元である「折れ線グラフ」の学習の実践を紹介します。

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭 五條 晶

学級っていろんな子がいる……

学級にはさまざまな子がいますよね、授業が好きな子、集中が続かない子、考えるのが苦手でかたまってしまう子、そわそわすると立ち歩いてしまう子……。

そんな子たちが同じクラスにいるのが多くの学校の学級と思います。そんな中、4月の子どもたちはやる気を出して頑張る時期です。
この時期に
「授業って楽しい!」
「頑張れば自分でもできる!」
と少しでも思ってほしいですよね。

そんなとき、みなさんなら、どのように授業を組み立てますか
学習が苦手な子も興味を持つ作戦はいくつかあります。
その1つが「自分のことに関すること」です。

例えば、子どもたちにそれぞれ自分の好きなアニメや漫画など自分に関することを授業で聞くと目を輝かせて反応してくれますよね? この「自分のことに関すること」を取り上げて授業を組んでいきます。
今回は算数の「折れ線グラフ」の実践を例に紹介していきます。

2 「折れ線グラフ」の学習で『つけたい力』は?

学習指導要領によると、「折れ線グラフ」の学習では次の2つのことを身につけるよう記されています。

①折れ線グラフのかき方について知ること。
②折れ線グラフの線の変化の特徴や傾向を読み取ること。

さらにここに、学習指導要領での新たな領域である「データの活用」が入ってきます。
データを活用して、判断したり、結果について考察したりする力は、これからの社会の中で必要とされています。

このことを踏まえて、折れ線グラフの特徴や傾向を調べることに留まらず、問題解決を行うための資料の一つとして折れ線グラフが活用できることを目指します。

3 折れ線グラフってどんな時に便利?

一日の自分の気持ちの変化(表)

単元の導入では、折れ線グラフはどんな時に使うと便利なのか考えていきます。
ここで、「自分のことに関すること」作戦発動です。

まずは、子どもの「昨日の一日」の心の変化を表にしてみます。朝起きてから学校へ来て、家に帰るまで、気持ち(テンション)を0~100で表していきます。

児童Aの折れ線グラフ

「朝は眠たくてやる気が起きないから20かなあ」
「え、ぼくは朝から元気だから100だよ!」

自分のことなのでみんなノリノリで自分の一日の心の変化を表にしていきます。
この反応が全員違って面白いです!

自分のことをノートの表に書いた後の、子どもの反応を想像できますか?
自分のことを書いたら、人の表に目が行きます。自分と人を比べたがる気持ちがどんどん高まっている状態です。

しかし、表だけだと比べるときにたくさんの数字だけが目に入り、比べにくい。そこで、一目で比べられる折れ線グラフをかき、みんなで比べていきます。
こうして、折れ線グラフを使う必然性が生まれるわけです。

自分の表からグラフをかき終えた後、「見やすくなった!」という子。「見やすさは変わらない」という子があらわれました。
さて「グラフにしても見やすさが変わらない」という子は、AさんとBさんのどちらでしょうか?

児童Bの折れ線グラフ

正解はBさんであり、Bさんは表にもほぼ100%でかいてあるため、折れ線グラフにしても表のままでも見やすさは変わりません。ここから、「折れ線グラフは変わり方をくらべるときに便利。ただし、変化があるものに使うとよい」というように、折れ線グラフについての理解を深めることができちゃうのです。

4 1年間住むならどこの国?

いよいよ、単元の5時目では折れ線グラフを活用して、判断したり考察したりする時間に入っていきます。

授業では3つの国の折れ線グラフを見せます。最初、名前は出さずに折れ線グラフのみ提示します。その折れ線グラフを見て、「1年間住むとしたらどこの国に住みたいか」考えました。

ちなみに3つの国は以下の通りです。
A:日本
B:オーストラリア
C:ブラジル

折れ線グラフを見た子どもの反応は……

「わたしは、1月にすごく寒いAの国でこたつに入って過ごしたい」
「わたしはたくさん遊べる8月の夏休みに涼しいBの国がいいなあ!」
「ぼくは海が好きだから1年中温かくて、海に入れるCの国がいい!」

ここでも、自分の住みたい国という「自分に関すること」という作戦が効いています。
お互いの住みたい国を折れ線グラフの特徴をもとに伝え合いながら盛り上がりました。

また、読み取る内容が同じでも意見が違います。
例えば、同じC:ブラジルの折れ線グラフを選んでも
「海に1年入りたいから」や「寒いのが苦手だから、1年温かいところで暮らしたい」など同じ折れ線グラフの特徴を読み取っていても、選んだ理由が違うので話が盛り上がります。

また、違う折れ線グラフを選んだ子から、自分にない考えにふれることをみんなが楽しんでいました。
こうして、「自分に関すること」作戦を授業に組み込み、授業中に考えるのが苦手な子などの興味関心をひいていきます。

どんな学年でも使える作戦なので、ぜひ授業に組み込んでみてください!

五條 晶(ごじょう あきら)

沖縄県宮古島市立東小学校 教諭


授業を通した「みんなで分かる!」「みんなが楽しい!」集団づくりを目指し、試行錯誤しています。

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