2021.03.26
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学期の終わりに

学級の全員の成長をお互いに認め合い、気持ちよく長期休業へ入るための方法やアイデアは様々あると思います。私は、最終日に一人ひとりの活躍を記したカードを黒板に貼ったことがあります。主語は、全て『〇〇さん』となっています。このカードは誰のことを指しているのかをお互いに考えていきます。

陸中海岸青少年の家 社会教育主事 村上 稔

一人ひとりの活躍を記したカードを作成

以下、カードの内容を一部抜粋したものです。

◆○○さんは、自分の役割に責任をもって果たそうとする力が向上しました。応援団長として臨んだ運動会では、休み時間の応援練習を計画したり大きな声で組団全体をリードしたりすることができました。修学旅行では、「大御所」とガイドさんに呼ばれました。

◆○○さんは、にこっとした笑顔がステキでした。運動会のリレーでは、リーダーとしてバトンパスの仕方を教えたり練習の指示を出したりすることができました。また、環境委員として、牛乳パックのリサイクルの仕方を下級生に優しく教えることができました。

◆○○さんは、困っている友達に優しく声を掛けることができるなど、思いやりあふれる行動がみられました。また、休み時間には下級生とキックベースをして遊んだり関わり合ったりして、仲良く遊ぶことができました。その姿勢は全校のみんなに慕われています。

◆○○さんは、応援団長として臨んだ運動会では、休み時間の応援練習を計画したり大きな声で組団全体をリードしたりするなど、自分の役割に責任をもって果たそうとする力が向上しました。「北川で乾杯したいです」の名言を言いました。

◆○○さんは、周囲を見て気配りができる優しい気持ちが育ってきています。困っている1年生には、同じ目線に立って優しく話を聞いていました。運動会では、副団長として応援団長をサポートしたり、全校で同じ目標に向かって、頑張る喜びを体感したりすることができました。

◆○○さんは、運動会では、リレーのキャプテンを務め、休み時間には、他チームよりも早く校庭へ仲間を集合させ、練習の指示を出すなど、責任を果たしました。日々の練習の積み重ねの成果が発揮され、本番では見事2位となりました。学年を代表して終業式では、作文を発表します。

◆○○さんは、友達に分かりやすく学習を説明することができました。自分達の生活の背景には周囲の支えがあることに気づき、感謝の気持ちをもちました。スクールバンドの活動では、応援してくれる周りの友達の存在に気づき、本番での原動力となったと振り返りました。

◆○○さんは、縦割り班の班長として、1年生に丁寧に掃除の仕方を教えたり頑張っている下級生の様子を反省会で紹介したりするなど、周囲への思いやりの心を大切に生活しました。新聞会社のアイデア・クイズはみんなを悩ませました。

◆○○さんは、階段や廊下の汚れに気づき、朝の時間には掃除をすることができました。また、体育委員として校庭のラインが消えていることに気付き、全校マラソンに備えてライン引きをしました。自分で気付き、率先して行動する力が育ちました。

◆○○さんは、自分の役割へ強い責任感をもっています。児童会執行部としてあいさつ運動に取り組み、毎日笑顔であいさつし続けました。また、次は何をしたらよいか考えることができ、「手伝うことはありませんか」と、率先して働く姿は全校のお手本でした。

◆○○さんは、藤原道長ら藤原氏が行っていた摂関政治について批判的な意見をもちました。運動会では、棒体操の終わりの挨拶として、これまで関わってきた方々の思いにも触れながら、感謝のメッセージを伝えるなど、周囲の人の支えに気付いて行動に表しました。

◆○○さんは、周囲に気を配りながら、伝える力が身につきました。上手に話せない1年生と同じ目線に立って話を聞きながら、困っていることを手伝うことができました。また、修学旅行のPR活動では、笑顔がステキで相手の反応を見ながら、話をすることができました。

◆○○さんは、正しい言葉遣いで友達に接したり基本的な生活習慣が身についたりしています。「ありがとう」「ごめんなさい」を素直に話したり、困っている友達がいると、そっと寄り添い声を掛けてあげたりすることができました。

◆○○さんは、周囲への優しさあふれる行動がみられました。1年生のお世話を進んで行い、一緒に遊んだりおんぶしたり……名札のつけ方やランドセルの入れ方、ロッカーの使い方なども丁寧に教えることができました。


一つひとつ誰のことを指しているのかを考えていきます。その際、「なぜそう思ったのか?」を問い返すことで、友達の活躍の様子について具体的なエピソードが様々出てきます。正解がでない方が盛り上がります。



村上 稔(むらかみ みのる)

陸中海岸青少年の家 社会教育主事


前任校では、社会科を専門として授業実践を積み重ねてきました。2020年4月から学校現場を離れ、社会教育主事として勤務しています。社会科の授業研究や社会教育全般について発信していきたいと考えています。

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