2021.03.08
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外国語活動が好きになるために

「あれはナイスでしたね」。外国語活動の授業を参観した指導主事の一言である。授業中に、英語での言い方が分からずにALTへ質問した場面である。学級担任だって、英語がスラスラと話せるわけではない。子どもたちの話せない代表として、担任が率先してALTへ質問する。そのことで、子どもたちから話したい表現についてALTへ質問しやすい環境ができたように感じる。

外国語活動の授業は、自然なコミュニケーションのなかで活動が進んでいく。そんな時間を児童がより好きになるための取り組みについて紹介する。

陸中海岸青少年の家 社会教育主事 村上 稔

(1) 授業づくり

【コミュニケーションのよさや楽しさ、面白さを実感できるような授業内容や場の設定を行う】ことを念頭に授業づくりに努めてきた。そのために、大切にしたことは以下の4点である。
① 本時の目的意識のもたせ方
 単元のゴールの見通しをもたせ、そのために「本時では何ができればいいのか」を明確にした。
② 本時の流れの明示
 「Menu board」を活用し、本時の学習の流れを提示し、児童が見通しをもって学習に取り組むことができるようにした。
③ それぞれの活動のねらいの明確化
 児童は外国語活動の学習において、ゲームやクイズ等の活動を楽しんでいる。「何のための活動か」「どんな力をつけるための活動か」を指導者が意識して授業を組み立てること、つまり「意味のある活動」を意図的に仕組むこと、活動と活動のつながりをもたせることを大切にした。これにより、児童への指示や留意点が明確になり既習を生かした学習が展開できたことが、意欲の向上や技能・知識の定着につながっていると考える。
活動を行う前には担任とALTによるデモンストレーションを行い、活動の見通しをもたせるようにした。また、指示はできるだけ英語で行うことを心がけながらも日本語で補うことにより、児童は安心してコミュニケーションを楽しんでいる。

④ 振り返りのさせ方と活用
振り返りの際は、本時の課題に即した観点を与えること、友達と交流すること、振り返りを「学びの足跡」として次時への学習につなげることを意識的に取り組んでいる。振り返りをすることは、学習内容の理解度や意欲、課題点をみとることができ、次時の授業を構想するためにも有効であると考える。また、児童自身が自分の学びを実感すると共に、友達との交流をとおして互いのよさを認め合ったり、新たな気付きをもったりすることで自己肯定感を育むことにもつながっている。

(2)外国語の素地づくり

【基本的な英語表現やローマ字に慣れ親しませるために、実践的・体験的な活動を繰り返し取り入れる】
○ローマ字の習得
・完全習得学習として3年以上に単語の読み書きプリントを作成、実施した。
○基本的な英語表現への慣れ親しみ
・English コーナー
・相手に「伝えよう」「伝えたい」という児童の意欲や態度の育成とそれに伴う技能の習得
  ⇒「Hello」「Hi!」「see you」「Let’s go」等、ALTとの簡単なやりとり

村上 稔(むらかみ みのる)

陸中海岸青少年の家 社会教育主事


前任校では、社会科を専門として授業実践を積み重ねてきました。2020年4月から学校現場を離れ、社会教育主事として勤務しています。社会科の授業研究や社会教育全般について発信していきたいと考えています。

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