2020.11.10
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ICT利活用の先にあるもの

今回は、ICT利活用の目的について改めて考えてみたいと思います。最近、勤務校のICT利活用に関して、様々な情報収集と検討事項があり、その経験から改めてICT利活用の先にある目的を考えてみます。

福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任 石丸 貴史

はじめに

今回は、ICT利活用の目的について改めて考えてみたいと思います。最近、勤務校のICT利活用に関して、様々な情報収集と検討事項があり、その経験から改めてICT利活用の先にある目的を考えてみます。

ICT利活用の目的

以前の投稿で、ICTInformationCommunicationTechnologyとして授業活用よりも情報に関することと、コミュニケーションの道具であることについて書きました。
情報に関して、ICT利活用で同時に多くの人に提供できることで、時間と労力が大幅に削減できる可能性があります。削減できた時間と労力をどのように活用するのかにICT利活用の目的があると考えます。
また、ICT利活用で自分のタイミングで情報を配信して、配信された情報を確認することも自分のタイミングでできます。ここでも、時間と労力が大幅に削減できる可能性があります。
さらに、ICT利活用による情報配信は、文字情報または音声・画像での情報など繰り返し確認できる状態であることがほとんどです。そのため、言った言わないの水掛け論になることを避けることができ、このことから少なくとも労力は大幅に削減できる可能性があります。

このようにして削減された時間と労力は、他のことに回すことができます。他のことに回すことができるというと、「生徒のためにもっと時間を使うことができる!」と考える傾向があります。
もちろん、生徒のためにもっと時間を使うことができることを否定はしませんが、多くの教員は既にかなり多くの時間を生徒のために使っています。「働き方改革」が世の中のキーワードになっているからではありませんが、削減できた時間と労力を、教員はもっと自分自身に還元しても良いのではないかと思います。
一方で、教員は組織に属する社会人であるので、事務仕事も多くあります。削減できた時間と労力を、事務仕事そのものを処理するために活用する必要もあるでしょうし、事務仕事そのものを減らすことを考えるために活用する必要もあるでしょう。
つまり、ICT利活用の先にあるのは、「業務改善」で、それこそがICT利活用の目的であると考えます。

教育実習生に接することで思い出したこと

少し話はそれますが、勤務校では例年6月実施であった教育実習が、コロナ禍により10月に実施されています。今年度教育実習に来ている学生の多くは、自分自身がタブレットを購入し毎時間教室にプロジェクターを持ち込み投影して板書を削減し、それにより生まれた時間でグループワークなどの学習を導入し始めた学年です。
昨年度までの教育実習生は教員がタブレットを持っていること自体に驚き、活用している授業を見てさらに驚くといった場面が見られましたが、今年度の教育実習生は、タブレットを持っている教員やプロジェクターを活用している教員が増えていることに驚きはしても、活用している教員を見てもさほど驚かなくなりました。来年度以降の教育実習生は、さらにその傾向が強くなることでしょう。
さらに、来年度は今年度の教育実習生のように、自分たちが高校生であったときから、ICT利活用やグループワークなどを経験してきた世代になっていきます。やはりICT利活用はそれ自体が目的ではなく、授業改善も含めた業務改善が目的であることを改めて認識すべきであると考えます。
また教育実習生は、当然のように授業にプレゼンテーションソフトで作成したスライドを用いて、必要に応じて写真や動画を投影しています。
教育実習生に、事前オリエンテーションで「教員は日々学びの積み重ねであり、高校は新しい学習指導要領を見据えて変革期にあり、働き方改革に直面しており限られた時間内で最大限の効果を求められている」と話しましたが、教育実習生という鏡を通して、自分自身へのメッセージでした。ICT利活用も含めた業務改善への決意を新たにした瞬間でもありました。
加えて、今年度の教育実習生が高校年生であった年に第17期の教育つれづれ日誌執筆の機会をいただき、ICT利活用とアクティブラーニングという言葉に出会った、自分自身にとって「アクティブラーニング元年」であったことも思い出しました。

次回は

ICT利活用の先にあるものは、自分自身を含めた人を育成することだとも思います。せっかく教育実習生たちが思い出させてくれた「アクティブラーニング元年」なので、設定しているテーマとはやや異なりますが、次回は改めていまアクティブラーニングについて書きたいと思います。

石丸 貴史(いしまる たかふみ)

福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
高校での新学習指導要領導入を控えて、「カリキュラムマネジメント」・「I C T活用」を中心に、日々の授業改善に取り組んでいます。大学を卒業後すぐに会社員として塾・予備校業界で勤務をした経験も活かしながら、社会で活躍できる生徒を育てるべくどのような資質・能力を育成すれば良いかを試行錯誤しています。

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