都内から南へ1000㎞の小学校~OGASAWARA~(1)
お読みいただきありがとうございます。長野県より清水です。
今回のテーマは、東京都小笠原村。
みなさんは、東京都小笠原村をご存知でしょうか。
都内から南へ1000㎞。航空路はなく、一般的な唯一の交通手段は竹芝桟橋から6日に一度出港するおがさわら丸に乗船することです。観光客だけではなく、村民も、ビジネス関係者も乗船します。
当然のことながら、教員の赴任者も4月上旬に乗船し、転居とともに異動となるのです(現地では職員住宅に住むことになります)。
今回からは、私が赴任していた(H26~30)小笠原村立小笠原小学校での授業や現地での生活等についてお伝えしていきます。
長野県公立小学校非常勤講師 清水 智
小笠原小学校とは
歴史的背景が色濃く残る学校

おがさわら丸の入港(二見湾)
平成23年6月には、小笠原諸島の豊かで独特な自然の価値が認められ、「小笠原諸島」が世界自然遺産として登録されました。平成30年(2018 年)、米国の統治下から日本への復帰を果たしてから50周年を迎えました。
私が赴任した平成26年当時は、児童数は140人弱でしたが、年々増え続け令和元年では170人の児童数にまで増加しています。
さまざまな特色ある授業が行われている小笠原小学校。詳細は公式ホームページをご覧いただくことにして、今回は私が勤務していた際に実践した、他地域では実践できない生活科や総合的な学習の時間の授業についてご紹介します。
生活科「Myマイマイ!」(1年生)
カタツムリが学びのつなぎ役

マイマイのために作ったプレゼントの数々
単元の導入において、「世界自然遺産ロゴマーク」「小笠原諸島返還50 周年記念ロゴマーク」、音楽科「かたつむり(童謡)」、図画工作科「にじいろかたつむり(絵)」等、かたつむり(島内ではマイマイと呼ばれる。以下「マイマイ」と表記)にちなんだものを提示し、本単元「いきものだいすき」の対象としてマイマイを扱うことを方向付けしました。
身近なところにマイマイがたくさんいるという意識付けにもつながりました。その後、マイマイの飼育の仕方を学び、飼育活動(教室内飼育・1人1個体)を行いました。 途中、マイマイについて分かったことや気付いたことをもとにした童謡「かたつむり」のオリジナルバージョンを作詞し、発表会を行いました。
学習のまとめとして、マイマイを捕獲した校舎裏のビオトープにどのように戻すのか話し合いました。そして、マイマイのために手製のレイを用意したり、マイマイの生息環境を考慮したビオトープを作ったりして、マイマイを自然に戻しました。
次回は植物と太鼓

小笠原小学校 校舎
1.小笠原の植物博士になろう(民間企業・行政・学校の連携授業) 2.小笠原の太鼓の達人になろう(地域から学び、地域に還元する)
世界自然遺産の中にあることで、特色ある授業が多くある小笠原小学校ですが、あくまでも東京都の公立小学校なので、通常の授業も行われています。
ぜひ、小笠原小学校のホームページもご覧ください。

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