2018.08.01
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1日の終わりの過ごし方―自分の時間を持ってストレスの緩和を―

学生の個人面談を終えましたが、今回は目的が明確であり、日頃からの対話も功を奏して問題なく終わりました。
本学は春学期の授業を残し、他大学よりも少し早く夏休みに入りました!
その分8月の4週目から授業開始、9月に期末試験という変則的なスケジュールで、学会シーズンに影響が出るのですが、早い梅雨明け以降、連日の酷暑でしたので、2週程早く夏休みになり、嬉しい気持ちが勝っています。

今日は、ネガティブなメールの軽減方法と1日の終わりに自分の時間を持ち、穏やかに過ごす効果をお伝えしたいと思います。

東京福祉大学 国際交流センター 特任講師 赤羽根 和恵

クラス面談を終えて

7月中旬に行うクラスミーティングと個人面談の内容は、来年度の進路の確認と学生生活、夏休みの諸注意についてです。

夏休み前のこの時期は、進路を考える大事な時期ですが、留学生の主な進路としては、内部進学と外部受験、就職活動の3つです。

今年度の担任のクラスは、全員外部受験を希望していますが、国の政策で留学生数が増えているので、早めに合同説明会やオープンキャンパスに行くように勧めました。

その後、スリランカ人学生から合同説明会に参加したと報告がありました。

そこで「すぐ行ってくれてありがとう。会った時に話を聞かせてね。」と返信しましたが、「あなたの指示のおかげで。」と返事がありました。

「ありがとうございます。」「よろしくお願いします。」といったお礼の返信ではなく、翻訳アプリを使ったのでしょうか、労いを含んだ感謝の言葉が返ってきたので、思いがけず嬉しい気持ちになりました。

それを1日の終わりに、「良い言葉のキャッチボールが出来た。」という幸せな気持ちで振り返りました。

同僚からのメール

同僚の先生から、1日の終わり、23時~0時と遅い時間帯に、その日あった嫌な事が大量に書かれたメールが届くようになりました。

おそらく、嫌な気持ちのまま帰宅、家事を済ませて一息ついて…その日あった事を思い出し、収まりのつかない気持ちを吐露してくるのでしょう。大変なストレスを抱え込んでいるようです。

書くと気が済むし、伝えて共感もしてもらいたい思いもあり、「これだけやっているのになぜ出来ない!」という不本意な気持ちを爆発させています。

夜中のメールの頻度が高くなってきて、私も夜中にそれを見る事が負担に感じてきました。

そこで、「先生は4月からずっと頑張ってきましたよね。いろいろ工夫をして伝わるようにしていますし、生活面も相談に乗っています。お疲れなのに家事もちゃんとやっていて、えらいですね。一息つくといつも遅い時間で、朝も早いのでしょう。もう嫌な事は全部学校に置いてきて、眠る前には、良かった事を思い出す方がいいですよ。私が毎日している方法をお教えします。授業がうまくいった!学生が良い事を言ってくれた!アイスおいしかった!何でもいいので良い事を考えて休みましょう。そうすると翌朝の目覚めが違うから、まずは3日試してみませんか?」と受容して共感を伝え、その上で提案をしました。

「はいそうですね。良い事を考えて寝てみます。」と、返信があり、それ以来、夜のメールがピタリと止まりました。

1日の終わりの過ごし方

私たちは様々なストレスにさらされています。ストレスと感じる原因は人によって異なりますが、日本人がストレスと感じる事は、職場の人間関係がトップという調査結果が出ています。

学校関係者は、人間関係の対象が、教職員だけでなく、学生、保護者、対外関係も含めるとより複雑です。

日常感じるストレスやイライラした嫌な気持ちを引っ張り過ぎて1日を終えると、副交感神経がうまく働かず、心身ともにうまく休むことが出来ません。

疲れが溜まると自分もつらいですし、仕事にも支障が出るので、1日の疲れをうまくリセットするために、自分の時間を持つ事が大切です。

例えば、好きな事をする、日記を書く、絵を描く、音楽を聴く、ハーブティを飲む、アロマテラピーを楽しむなど、30分程度行うと幸福度が高まってきます。

何かしら自分のためだけの時間を持つと、他人に影響されていない、他人に振り回されていないという気持ちになって、その日起こった事をリセット出来る効果があります。

終わりに

ストレスがある事が問題ではなく、ストレスの受け止め方とその対処方法に問題があります。

適度なストレスが、生産性を上げる良い効果となる事も知られているので、いかにストレスとうまく付き合っていくかだと思います。

夏は日が長く汗をかいて体温を下げるので、副交感神経が活発になり、自律神経が安定しやすい季節と言われています。

しかし、近年の酷暑と冷房で心身ともに疲労が溜まっていますし、望まない人間関係がどこにいても入り込む場合もあります。

煩わしさをうまく逃して、夏休みこそ集中して研究を行い、限られた時間の中で生産性を高めたいと思っています。

ぜひ、1日の終わりに自分のための時間を設け、リラックスをしてください。明日も良い日でありますように。

赤羽根 和恵(あかばね かずえ)

東京福祉大学 国際交流センター 特任講師
経営学・経済学が専門ですが、留学生クラスの担任も兼務しています。これまでの企業経験、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーとしての視点も生かせるよう心掛けています。

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