10月に入りました。今年は多いと感じる台風には,困惑してしまいます。
でも,秋は,様々な楽しみがあります。読書の秋,食欲の秋……。私は,紅葉を楽しみたいです。
さて今年度は,障害者差別禁止法が施行され,
特別支援教育の研修などでは,テーマに挙げられ,
話題にされていることでしょう。
特別支援教育を学んでいる仲間内で,
時折,話されることを綴りました。題して,
「特別支援教育12のあること」
今回は,前編の6つです。
1 環境の構造化は,教師の子どもへの接し方から始まる。つまり,教師自身も環境なのです。
よく特別支援教育の手立てに,「雑情報を減らし,構造化しましょう」
「見る力が強いお子さんです。見える化を図りましょう」
などのアドバイスをもらうことがあります。
これは,とってもいいことです。でも,やり過ぎに注意です。
「見える化だ!」と写真を貼り過ぎて,
子どもたちにとっての環境は,物理的なものだけではありません。
私の座右の銘,
話が長すぎたり,「えっと……」「あのう」などの
無駄な言葉が多く入れられると,
子どもによっては,雑情報となります。
派手や華美の服装もそうです。
せっかく教室内を構造化し整理していても,
雑といえば,子どもへの対応もそうです。雑では,ダメです。
2 怒鳴る,怒るは,自分が決める。感情で話すのではなく,理性と知性をもって指導しよう。
怒鳴ることも,怒ることも自分で決めています。いらいらしてしまうのならば,6秒我慢します。
すると大抵の怒りは収まるそうです。
もちろん,大きな声を出さないといけない時もあるでしょう。
そのような時は,
・命に関わったり,怪我をしそうなぐらい危険な時
・いじめを代表とする
・4度言っても改めようとしない時
「これらの時は,大きな声を出すよ」
大きな声を出す必要のない,
3 「専手必笑」!一時一笑!笑顔のない指導は,崩壊の始まりです。
子どもたちは,何よりも先生の笑顔が大好きです。笑顔でいてくれるクラスは,自然と温かいクラスになります。
「教師の専門性で,先手を打ち,
千の手立てで子どもを育んでいく。
そのために,笑顔は必須」であると私はよく話します。
「専手必笑」を心がけたいものです。
https://www.manabinoba.com/tsurezure/22102.html
4 居心地のいい教室から子どもは,飛び出しません。楽しくて分かりやすい授業を心がけよう。
「先生,あの子どもいつも飛び出していくんです」これには理由があります。飛び出すきっかけを与えているのです。
子どもは,楽しいところへは,意欲をもって動きます。ということは……。
授業を,学級を,学校を,楽しいものにしていきましょう。
楽しいだけでは,「活動あって学びなし」になりかねません。
「楽しい」→「分かった」→「できた」→「さらに」となるような学習を仕組みたいものです。
理想論?いえいえ,そう語る前に,まずは,目指して取り組みたいものです。もちろん,一朝一夕には,創り上げられませんが……。
5 怒鳴る教師は,「私は無力,完敗です。」と宣言していると心得よう。
怒鳴って子どもを従わせ,子どもたちが恐くて
したがっている状態を指導と勘違いしている
先生がいます。困ったものです。
また,同調圧力を使って,NOと言わせない
従わせ方をする先生もいます。これは,どうなんでしょうか。
もちろん,「あかんもんは,アカン!」
とはっきりとした態度は必要ですが,
怒鳴ることや同調圧力は,教師の指導とは言えない
のではないでしょうか。
https://www.manabinoba.com/tsurezure/19528.html
6 子どもが起こした言動で一喜一憂せず,その言動の背景をみよう!
子どもの言動には,必ず理由があります。不適切行動であれば,減らしてやりたいものです。
そのためには,子どもの言動の背景を探ります。
また,行動については,観察し分析をします。
これをABC(ABA)分析,応用行動分析と言います。
一度できたからと言って,子どもの前では,褒めたとしても,
心の中では,まだ完璧に習得したと捉えずに,
何度も「できた」経験を積ませたいものです。
その逆の失敗についても,同じ失敗はできるだけ
避けたいですが,
私の指導が甘かったと,落ち込む必要もありません。
次に失敗しないように,励ましていきましょう。
https://www.manabinoba.com/tsurezure/19084.html
とりあえず……
いかがでしたか。過去記事にも少しリンクさせていますが,

関田 聖和(せきだ きよかず)
兵庫県神戸市立桜の宮小学校 特別支援教育士スーパーバイザー(S.E.N.S-SV)
主な単著:『楽しく学んで国語力アップ!「楽習」授業ネタ&ツール』(明治図書)、『新学期から取り組もう!専手必笑 気になる子への60の手立て』(喜楽研)、『専手必笑!インクルーシブ教育の基礎・基本と学級づくり・授業づくり』(黎明書房)、国語・算数が苦手な子どもへの個別支援プリントシリーズ(全10冊:清風堂)
その他、特別支援教育すきまスキル(明治図書)等共著多数。
同じテーマの執筆者
-
帝京平成大学現代ライフ学部児童学科 講師
-
京都教育大学附属桃山小学校 教諭
-
さいたま市立植竹小学校 教諭・NIE担当
-
兵庫県姫路市立坊勢小学校 教諭
-
岡山県教育委員会津山教育事務所教職員課 主任
-
福岡市立千早西小学校 教頭 今林義勝
-
大阪市立堀江小学校 主幹教諭
(大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年) -
大阪府公立小学校 主幹教諭・大阪府小学校国語科教育研究会 研究部長
-
戸田市立戸田第二小学校 教諭・日本授業UD学会埼玉支部代表
-
佛教大学大学院博士後期課程1年
-
小平市立小平第五中学校 主幹教諭
-
兵庫県西宮市立甲陽園小学校 教諭
-
明石市立錦が丘小学校 教諭
-
木更津市立鎌足小学校
-
北海道公立小学校 教諭
-
東京都東大和市立第八小学校
-
東京学芸大学附属大泉小学校 教諭
-
愛知県公立中学校勤務
-
大阪大谷大学 教育学部 教授
-
東京都品川区立学校
-
岡山県赤磐市立桜が丘小学校 指導教諭
-
神奈川県公立小学校勤務
-
寝屋川市立小学校
-
明石市立鳥羽小学校 教諭
-
仙台市公立小学校 教諭
-
東京都内公立中学校 教諭
-
目黒区立不動小学校 主幹教諭
-
東京都公立小学校 主任教諭
-
尼崎市立小園小学校 教諭
関連記事
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
