野菜のおなか 【食と栄養】[小6・学活]
第十九回目のテーマは「野菜のおなか」。野菜には2つのグループがあることを知って、どちらもバランスよく食べるようにしましょう。
藤本勇二(ふじもと ゆうじ)
武庫川女子大学教育学部 教授。小学校教諭として地域の人に学ぶ食育を実践。文部科学省「食に関する指導の手引き」作成委員、「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」委員。「食と農の応援団」団員。環境カウンセラー(環境省)。2010年4月より武庫川女子大学文学部教育学科専任講師。主な著書は『学びを深める 食育ハンドブック』(学研)、『ワークショップでつくる-食の授業アイデア集-』(全国学校給食協会)など。問題解決とワークショップをもとにした食育の実践研究に取り組む「食育実践研究会」代表。'12年4月より本コーナーにて実践事例を研究会のメンバーが順次提案する。
野菜カードを使って野菜を仲間分けしたり、野菜を実際に切って中の色を確かめたりすることで野菜に興味を持たせます。野菜の色に着目することで、野菜には2つのグループ(緑黄色野菜・淡色野菜)があることを学びます。どちらのグループに属するかによって、含まれている栄養素も違うことを理解し、栄養バランスを考えるきっかけ作りを目指した学習です。 色の濃い野菜と薄い野菜がある最初に、野菜にはどんな働きがあるかを子どもたちに聞き、「おもに体の調子を整えて、病気をしないようにする働き」があることを確認します。 次に、 色の濃い・薄いに分けるルールは?野菜カードを使って「色の濃い野菜」と「色の薄い野菜」に分類 次に、野菜カード(A6大の紙に野菜の絵が書いてある。裏に磁石を付けてある)を子どもたちに渡して、色の濃い野菜か、色の薄い野菜かの仲間分けをしてもらいます。 教科書の巻末に掲載されている「いろいろな食品の分類の例」または「栄養素のはたらきによる食品のグループ分け」の図を見るように指示します。 キュウリやナスを切ってみると、中の色は薄い そこで、 緑黄色野菜か? 淡色野菜か? 色の濃い野菜を「緑黄色野菜」、色の薄い野菜を「淡色野菜」といいます。 トマトは赤くても緑黄色野菜です。ダイコンは淡色野菜ですが葉は緑黄色野菜、白ネギは白い部分が淡色野菜で緑の部分は緑黄色野菜と部位によって変わったりします。簡単な見分け方はカットした中身の色があるかどうか、濃いか薄いかです。 どちらもバランスよく食べる 自分たちが普段よく食べている野菜を発表し、それらが「緑黄色野菜」か「淡色野菜」か、分類します。すると、 最後に、野菜が不足すると、風邪を引きやすい、肌がかさかさになる、イライラする、便秘になるなど体の調子が崩れることを話し、色の濃い野菜も色の薄い野菜も食べることが大切であることを説明して終えました。 ※本実践に当たっては、以下を参考にしました。 文:藤本勇二 イラスト:あべゆきえ、みうらし~まる〈黒板〉 |
授業の展開案
緑黄色野菜とは、厳密に言えば、野菜100g 中に 600 マイクログラムのベータカロテンを含む野菜のことです。上記にあげた以外にもどのような野菜があるか調べてみましょう。
野菜カードを手作りしましょう。野菜の絵を書く際、事典で調べることにより、オクラにきれいな花が咲くことやブロッコリーのでき方など、野菜についてのさまざまな知識を得ることができます。
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