野菜の名前なあに? 【食と歴史・言葉】[小6・社会科]
食育は家庭科や総合的な学習の時間だけが受け持つものではありません。理科、社会科などどの教科でもアイディア次第で楽しく展開できます。教材開発のノウハウや子ども達の興味・関心を高めながら、望ましい食生活習慣を育てていく授業作りのヒントを、武庫川女子大学・藤本勇二先生主宰、食で授業をつくる会「食育実践研究会」がご紹介します。第二十八回目のテーマは「食と歴史・言葉」。野菜の名前を通して、野菜の来歴に関心を持ちましょう。
藤本勇二(ふじもと ゆうじ)
武庫川女子大学教育学部 教授。小学校教諭として地域の人に学ぶ食育を実践。文部科学省「食に関する指導の手引き」作成委員、「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」委員。「食と農の応援団」団員。環境カウンセラー(環境省)。2010年4月より武庫川女子大学文学部教育学科専任講師。主な著書は『学びを深める 食育ハンドブック』(学研)、『ワークショップでつくる-食の授業アイデア集-』(全国学校給食協会)など。問題解決とワークショップをもとにした食育の実践研究に取り組む「食育実践研究会」代表。'12年4月より本コーナーにて実践事例を研究会のメンバーが順次提案する。
野菜の名前には歴史があります。名前を通じて外国との交流の歴史が見えてきます。その一例が「セロリ」です。セロリは和名を「オランダミツバ」といいます。江戸時代の鎖国政策のもとでオランダは西洋に開かれた唯一の窓でした。オランダを通じて西洋文化が日本に入ってきました。そのため、オランダ経由で持ち込まれた野菜には「オランダ……」から始まる名前がつけられたようです。歴史の学習で交易の歴史を振り返ろうと思い、野菜を取り上げました。クイズ形式で進める1時間の授業です。 「カンラン」、「タマナ」って何?「野菜の別名、和名ともいいますが、日本でつけられた名前をこれから発表します。それが何の野菜かを当ててください」 Q1:カンラン(または、タマナ)「カンラン?」 答え:キャベツ Q2:苦瓜子どもたちも、よく知っていました。 答え:ゴーヤ Q3:黄瓜(または、胡瓜) 瓜が続きます。 答え:キュウリ Q4:西瓜 ほとんどの子が知っていました。 答え:スイカ Q5:糸瓜 さらに、瓜が続きます。 答え:ヘチマ Q6:バレイショ、カンショ、ジネンジョ 今度は薯の例です。 答え:ジャガイモ、サツマイモ、ヤマノイモ Q7:ハナヤサイ、ミドリハナヤサイ「花が咲いているように見えたんでしょうね」 答え:カリフラワー、ブロッコリー Q8:オランダミツバ、オランダキジカクシ、オランダゼリ、オランダガラシ「オランダの連続だ」 答え:セロリ、アスパラガス パセリ、クレソン
果物についても知りたい!―― 子どもたちの感想 子どもたちには、少し難しかったようですが、諸外国との交易に関心を持ったようです。 文:藤本勇二 イラスト:あべゆきえ、みうらし~まる〈黒板〉 |
授業の展開案
-日本で栽培されている野菜の多くは海外が原産です。野菜がどこからやってきたのか、原産地を調べてみましょう。
-ミツバ、ウド、セリはもともと日本にあった野菜です。これら以外に日本在来の野菜にはどんなものがあるでしょうか。
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