藤本勇二(ふじもと ゆうじ)
武庫川女子大学教育学部 教授。小学校教諭として地域の人に学ぶ食育を実践。文部科学省「食に関する指導の手引き」作成委員、「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」委員。「食と農の応援団」団員。環境カウンセラー(環境省)。2010年4月より武庫川女子大学文学部教育学科専任講師。主な著書は『学びを深める 食育ハンドブック』(学研)、『ワークショップでつくる-食の授業アイデア集-』(全国学校給食協会)など。問題解決とワークショップをもとにした食育の実践研究に取り組む「食育実践研究会」代表。'12年4月より本コーナーにて実践事例を研究会のメンバーが順次提案する。
バターは牛乳から脂肪分を取り出して、練り上げ固めた食品です。今回は生クリームと牛乳を使ってバターを作ります。牛乳から多様な乳製品が生まれることや、牛乳加工品の保存食としての価値にも気づかせる1時間の授業です。 牛乳からバター作り―― 用意するもの牛乳からバターを作るためには、次のものを用意します。
用意するもの ペットボトルはよくすすいで、乾かしておきます。牛乳と生クリームは、あらかじめ冷蔵庫に入れて直前まで冷やしておきます。
牛乳からできるものは何? 牛乳パックを子どもたちに見せながら 「生クリームや練乳も牛乳から作られます。今からバターを作りましょう。バターは牛乳の中の脂肪を集めて作ります。牛乳をひたすら振り混ぜて成分を分離し、脂肪分を固めるとバターになります」 ひたすら振る!―― バター作りの手順ペットボトルに材料を入れる ふたをしめ、勢いよく上下に振る 脂肪分が固まってきた 次のような手順で作ります。 (1) ペットボトルに量った牛乳と生クリームを入れます。 (2) ペットボトルのふたをしっかりとしめて、勢いよく上下に振ります。牛乳と生クリームが混ざって、ホイップ状になっていきます。 (3) さらに振り続けると急に手の感触が変わるときがあります。固まりができはじめた合図です。 (4) 固まりが確認できたら、振りを弱めてください。そのまま強く振り続けると、せっかく固まりかけたバターが分離してしまい、ドロドロのヨーグルト状に戻ってしまいます。その場合は、氷水などに浸けて冷やしてから、もう一度ゆっくり振ってください。 (5) バターがひとつにまとまったら、ペットボトルをカットし取り出します。 出来上がったバターがやわらかすぎるようでしたら、一度氷水などにペットボトルごと浸けて冷やしてください。
おいしい!―― 作ったバターを試食まずは出来上がったバターだけを食べてみましょう。好みに応じて塩を加えます。子どもたちに食塩が入っているか、いないかで、有塩(加塩)バターと無塩バターがあることも説明します。今回作ったのは無塩バターです。 作りたてのバターはおいしい! 次にクラッカーにぬって食べてみます。 バター作りは体力が必要です。でも子どもたちは喜んで“ふりふり”していました。作りたてのバターの香りはとてもすばらしく、舌の上でとろりと溶け、まるでアイスクリームのようです。ただ日持ちがしないので早めに食べきってください。
文:藤本勇二 イラスト:あべゆきえ、みうらし~まる〈黒板〉 |
授業の展開案
バター以外の乳製品(チーズやヨーグルトなどの)作り方を調べてみましょう。
私たちがふだん牛乳として飲んでいるものには生乳以外に加工乳、乳飲料があります。それぞれどんな製品があるかを調べてみましょう。
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