藤本勇二(ふじもと ゆうじ)
武庫川女子大学教育学部 教授。小学校教諭として地域の人に学ぶ食育を実践。文部科学省「食に関する指導の手引き」作成委員、「今後の学校における食育の在り方に関する有識者会議」委員。「食と農の応援団」団員。環境カウンセラー(環境省)。2010年4月より武庫川女子大学文学部教育学科専任講師。主な著書は『学びを深める 食育ハンドブック』(学研)、『ワークショップでつくる-食の授業アイデア集-』(全国学校給食協会)など。問題解決とワークショップをもとにした食育の実践研究に取り組む「食育実践研究会」代表。'12年4月より本コーナーにて実践事例を研究会のメンバーが順次提案する。
野菜は食べている部位により、「果菜」「葉菜」「根菜」などに分けられます。ブロッコリーやカリフラワーのように花を食べる野菜もあります。利用部位に注目して野菜に対する関心を深める「どこを食べているのかな」の授業をしました。3年生の理科の「植物の育ち方には一定の順序があり、その体は根、茎及び葉からできていること」の学習から発展させた1時間の活動です。 野菜のこの部分はどこかな? 「植物の体の名前は何でしょうか?」 「これから野菜を見せます。野菜のどこの部分を食べているか考えてください」 この野菜の食べている部分はどこ?実物を見せながら食べている部分を確認していく作業が一段落したので、ワークシートを配ります。縦には野菜、横には部位の名前があり、○を記入するようになっています。 野菜は「ナス」「カボチャ」「カブ」「コマツナ」「レンコン」「ラッキョウ」「アスパラガス」「ホウレンソウ」「トマト」「タマネギ」「ダイコン」「カリフラワー」「セロリ」「キャベツ」「パセリ」「サトイモ」「タケノコ」「サツマイモ」の18種類が書かれています。 野菜の食べる部位を「たね」「実」「根」「茎」「葉」「花」に分類し、野菜カードを貼る このワークシートに○を付ける作業を子どもたちは楽しんでくれました。 「では、グループごとに野菜の絵カードを配りますから、グループ内で意見がまとまったら黒板に絵カードを貼ってください 」 根を食べる野菜には何がある?「これらの野菜の他に、根を食べている野菜はなんだろう?」 「次、たねを食べている野菜は?」 子どもたちの感想を紹介します。 「野菜のどこをたべているとかそんなこと考えたことありませんでした。でも食べているところが分かってすごく勉強になりました」 「タケノコが地面の下をはう茎だとは知りませんでした。野菜はふしぎだなあと思いました」 「私が一番驚いたことはジャガイモが茎だったということです。茎がふくらんであの丸いジャガイモになるんだなあと感心しました」
文:藤本勇二 イラスト:あべゆきえ、みうらし~まる〈黒板〉 授業の展開案同じイモでも、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ヤマイモはそれぞれどこを食べているのか調べてみましょう。 ブロッコリーは花の部分を食べています。本当かどうかを確かめるために水栽培をしてみましょう。水を入れたコーヒーの空きビンにブロッコリーを入れておきます。数日後、花が咲きます。 |
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