2011.10.06
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南三陸町立歌津中学校 校長 阿部 友昭 「通ってきた道、進む道」

宮城県の南三陸町立歌津中学校 校長 阿部 友昭さんの執筆です。

この秋、歌津中学校では、9月3日の運動会に向け、太鼓の音やヨサコイ、ウタちゃんソーランの歌声が響き渡りました。運動会で発表する踊り表現に全校生徒が取り組みました。全校生徒が、地域の方々から伝統文化としての「歌津音頭」「ウタちゃんソーラン」「あなたの海」「ヨサコイ」を教えてもらいました。生徒の中には、4、5回の練習でやっと一つの振り付けを身に付けるカメ型、たった1、2回で踊りや演奏を覚えるウサギ型といました。また、伊里前小学校、名足小学校の学習の様子を見て一人ひとりの子どもたちのすばらしい記憶力、可能性に感動しました。「唯一無二」「世界にひとつだけの花」です。

今の小・中学生を見ていると、まさに「若竹の伸びる勢い」ですくすくと成長していることを実感します。そして、多くの小・中学生の成長の様子を見たり感じたりすることができる教師としての喜びを地域の皆様と一緒に味わっています。

逆に、齢を重ねた、父母の様子からは、急激な衰えを見ることが多くなりました。昨日はできても、今日はできないという人生の熟練からの終盤を感じます。

今59歳の還暦を迎えようとする自分の人生を省み、これからの自分の可能性を信じ想像すると、小・中学生の様子も、年老いた父母の様子も、自分が通ってきた道であり、これから進む道でもあります。9月11日、今回の大津波より半年、善しに付け悪しきに付け、自分のこれからの人生は大きく変わりました。まさに「人間万事塞翁が馬」です。そして、人々の繋がりの大切さと温かい心のふれあいに感謝するとともに、人は家族をはじめ多くの人々の支えによって、『お陰さま』で、生活していることを感じています。ありがとうございます。

『子ども叱るな来た道じゃ、年寄り貶すな行く道じゃ』


平成23年9月23日

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