2011.09.22
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利府町立しらかし台小学校 校長 永山 伸樹 「日常への回帰」

第十三回は、宮城県の利府町立しらかし台小学校 校長 永山 伸樹さんの執筆です。

今年は、なるべく校外学習を取り入れるよう、先生方に話しています。理由はいくつかあります。

一つは、特別教室を使用している学年が校外学習へでかけると、その間特別教室の使用できる時間が増えます。

二つ目は、子どもたちの気分転換でしょうか。

そして三つ目が、非日常の状態から、日常への回帰とでもいうものでしょうか。これは「気分転換」でもあるかもしれません。北校舎の使用による2クラス合同の生活、不便な環境、といった日々から、校外へ出ることにより、これまでと変わらない学校生活を実感できるのではないか、ということです。

9月8日、9日と6年生の修学旅行が行われました。残念ながら方面は秋田県に変更となりました(私は福島県出身なので、会津の方には申し訳なかったのですが…)。

この修学旅行の実施に当たっては、「被災校」というのは、どこにも出さず、通常の修学旅行として実施するよう心がけました。ですから、旅行中の児童への指導も通常どおりです。勿論、帰ってきて月曜日からはまた現実に戻るのですが、この2日間は純粋に修学旅行を、子どもたちもそして引率する私も含めた教職員も味わったのではないかと考えています。

来週は5年生が蔵王自然の家での合宿に行きます。こちらも当初予定どおりの日程で、通常どおりの活動計画を立てて取り組んできます。

南校舎の工事も復旧工事と補助の関係で今調整が進められており、ようやく今週から工事現場事務所の設置が始まりました。これで、否応なしに日々『被災』を感じながら過ごしていかなければなりません。

校外学習へでかける時の子どもたちの顔は、どの学年でもとても明るく笑顔のあるものです。勿論、校外学習にのみ児童の『笑顔』を求めるものではありません。先生方は日々の活動の中で子どもたちの笑顔を出させる工夫をしながら学習指導にあたっています。そのためにも早く「日常」へ戻りたいな、と願うものです。

この原稿を書いている中で、9月11日を迎えました。ちょうど3月11日より半年が経過する日でした。各地で慰霊や追悼の式が行われました。

何年かかるか分かりませんが、早く被災した地、被災した方々に、震災前の日常がもどることを祈るのみです。

平成23年9月11日

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