登米市立登米小学校 教諭 皆川 寛 「宮城県・南三陸町のいま」
第十二回は、宮城県の登米市立登米小学校 教諭 皆川 寛さんが津波で壊滅的な被害を受けた南三陸町を訪れてのリポートです。
あの巨大地震・大津波から今日で半年。もうすぐ春を迎えようとしていたあの時から6ヶ月が経過し、秋の足音が聞こえる季節となった。この半年は、あっという間に過ぎたような気がする。
テレビでは「大震災から半年」ということで各地での追悼の様子を伝えている。仙台空港は9月25日に全面復旧、仙台空港アクセス線は10月1日に全線で運行を再開するという。一方、津波で壊滅的な被害を受けた沿岸部を中心に、現在でも約6,800人が避難所で暮らしているという現実がある。
南三陸町は登米市の東に位置し、登米市から車で30分弱の距離にある。8月中旬、私は南三陸町を訪れた。幼い頃から海水浴場に何度となく通った町が、一変していた。あの海岸が、あの魚屋さんが、あの魚市場が見当たらない。鉄骨だけを残し、津波がすべてをもっていった。地盤沈下が激しく、海岸近くの土地は浸水したままである。がれきの撤去作業はずいぶん進んでいるというが、それでも折れた電柱や信号機、押しつぶされた車がいたるところにあった。そんな光景を目の辺りにし、自然災害のおそろしさを痛感するとともに、ここで生活していた人たちのこと、失われた多くの尊い命のことを思うと、何ともやりきれない気持ちになった。
沿岸地域の復旧・復興には、多くの時間と努力と工夫を要すると思う。隣町で仕事をしている者として、何ができるか考え、小さなことでもいいから一つ一つ実行していきたい。
ここでは、8月中旬に南三陸町を訪れた際の写真を紹介する。
平成23年9月11日
【参考URL】
南三陸町ホームページ「南三陸町役場防災対策庁舎屋上から撮影した津波の状況写真」
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