2011.08.04
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利府町立しらかし台小学校 校長 永山 伸樹 「工事開始に伴い…」

第七回は、宮城県の利府町立しらかし台小学校 校長 永山 伸樹さんの執筆です。

8月から被災を受けた南校舎の工事が始まります。(工事に関しては、本校HP内「東日本大震災による被災校舎等の災害復旧工事について」 をご覧ください。)

工程表が出て、保護者に知らせて少しホッとしたところだったのですが、実際の工事はなかなか細かいところまではっきりと伝わってきません。設計業者さんの仕事の進み具合と並行しての作業のため、建設業者さんもはっきりと言えないところがあるのでしょうか。資材等の調達の関係もあるのでしょうか。少々気をもむところなのです。それというのも、単に業者さんに任せておくだけには行かないからなのです。

南校舎にはまだ多くの「物」が置いてあります。それらが工事に伴い移動が必要なのかそのままでいいのか、移動するならいつ、どうやってしたらいいのか、日程及びその内容がはっきりしないと見えないところが多すぎるのです。移動するにしてももう収納しておく場所はありません。建設業者さんはプレハブを用意すると言ってくれてはいますが、動かすのかどうかが分からないうちはそれも話だけです。

移動するとしたら、いつ、誰が、という問題もあります。本校職員は長かった震災からの4ヶ月あまりを過ぎて、今やっと体も心も休める状態になっています。町の応援も同じで、町職員も疲弊しています。近隣の学校の職員にお願いするにしても十分な時間がほしいところです。

というようなところが工事開始に伴う第1段階の悩みです。
第2段階は『音』と『安全』です。大きな音を伴う解体工事は夏休み中に終える、ということですが、近隣住民の方へのこともあり、気が休まりませんし、もし延びたらと考えると……。また車両の出入りもあるので、それがいつからになるか、どの程度出入りするのか。これは当然2学期がはじまってからの問題ですので、いかに児童の安全を確保するかも大きな課題です。

当然のことですが、これらのことは震災直後にはとても考えつかなかったことです。前回に触れた「反省と検証」は先生方の声をまず出してもらいました。その声とこれらの悩みを重ね合わせると、さらに悩みが倍加しそうです。

でも、復旧工事が見えてきた本校はまだいいのかもしれません。もっと大変な学校は多くあります。その学校の先生方にも負けない「気力」をもって取り組んでいかなければ、と夏休みの校長室でこの原稿を書きながらそう思うばかりです。

平成23年8月1日

 ※当記事の情報は、公開当時のものです。

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