2008.09.23
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新人危機管理コンサルタント奮闘記(vol.9) 防犯教室講師を経験して(その1)伝えることの難しさ

新人危機管理コンサルタント奮闘記(vol.9)

小学校1年生対象にした防犯教室で、初めて講師を務めました。ところが、実際に行ってみると想定外の難しさや危険に遭遇! この経験を新人危機管理コンサルタントの須藤綾子が2回に分けてお話します。

小学1年生に“防犯”の意味を伝える難しさ

今年も夏が終わりました。毎年必ずやってくるこの季節。夏と言えば、防災キャンプです。昨年、このコラムでもお話ししたイベントです。そのイベントが始まる直前まで、小学校で防犯教室を行ってきました。
 今回と次回の2回に渡り、そこで経験したこと、失敗してしまったことをお話しようと思います。

 以前少しお話しましたが、今年は初めて防犯教室での講師を務めました。昨年スタッフとして関わった小学校での1年生対象の防犯教室です。実際に自分が講師を務めてみると、伝え方の難しさ、子ども達の持つ感覚の怖さを実感しました。

 相手は入学したての小学生。「防犯」という言葉一つをとってみても、彼らがきちんと理解できる言葉で話さなくてはなりません。その為には、私自身が言葉とその意味を明確に捉え、伝えなければなりませんでした。

 当初私は、わかりやすく説明しようとする余り、様々な言葉を用いてしまいました。すると、子ども達の反応はどうでしょう……。私が話せば話す程、子ども達の頭に「???」マークが浮かんでいるのがわかりました。

 私が失敗した内容をご紹介します。
「防犯とはどんなことだろう?」
 という説明をした時のこと。私は、
「防犯とはみんなが感じる悪いことや悪い人から自分の身を守ることです」
 と説明をしました。さらにその後、
「悪いことや悪い人、他にも怖い人や怖いこと、みんなが感じるそういうことはたくさんあると思います。そういう世の中にある悪いことや悪い人、怖いことや怖い人から自分の身を守ることです」
 と続けてしまったのです。

 するとどうでしょう、子ども達の頭に「?」マークが見えました。きちんとわかって欲しくて、説明をすればする程、子ども達の頭の中が混乱していったのです。
 この時、自分がわかっていることをわからない人に伝えることの難しさを改めて痛感しました。

子ども達にわかりやすく説明するには…

これは、私に限らず、誰にでも起こりえることだと思います。ご家庭で、子ども達に説明をする時、必要以上に言葉を多用していませんか? 言葉を知っていて、想像力がある大人であればまだしも、そうではない子どもにとっては、同じ意味をもつ言葉であっても、言葉がコロコロ変わるとそれだけで混乱してしまうのです。

 さらに、私の例では、子ども達は「悪いこと」と「怖いこと」が同じことであるとは受取っていませんでした。
「悪いこと」では、誘拐される、連れていかれる、泥棒にあうというようことが連想されていましたが、「怖いこと」になると、犯罪以外の発想が出てきました。

 「自分が怖いと思うこと」という説明をしてしまったことも一因になっているのですが、交通事故にあう、お化けにあう、という意見が出てきたのです。何気なく「怖い」という言葉を使ったことが、裏目に出てしまいました。

 今回の経験を通して、子ども達に防犯や防災について話をする時、注意しなくてはいけない点を学びました。
 1.似たような言葉を多用しすぎない。
 2.伝えたいこと、子ども達に気づいて欲しい内容を明確にする。
 3.わかりやすく説明をする。

 どれも当たり前のことなのですが、中々簡単にできることではありません。皆さんも、お子さんとお話をする時に、これらを頭においてみて下さい。

 例えば
「防犯ってどんなこと?」
 これを低学年の子どもに説明するときには、犯罪から身を守ること、悪いことから自分の命を守ること、というように、できるだけ簡潔に、わかりやすく伝える必要があります。

 もう少し大きい子どもであれば、「犯罪から身を守ること」と説明することができますが、低学年の場合、「犯罪」という言葉についても説明しなくてはなりません。その時に、「悪いこと」なのか「怖いこと」なのか、どのような悪いことなのか、怖いことなのかを、伝える側が明確にしていなければ、子ども達には伝わらないのです。

 以前放送していた某ドラマで「私を小学五年生の子どもだと思って説明して下さい」というセリフがありましたが、まさにその通り。自分が知っていることを相手に説明する時には、誰でもがわかるように説明しなくてはならないのです。それは危機管理でも同じこと。しかし、それが難しい……。

 初めての講師を務め、授業を行っては反省……を繰り返す毎日でした。そして、授業の中で、子ども達からある種の危険を感じました。
 それは、また次回お話します。

文:須藤綾子

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