番外編「パターンブロックを使った算数授業」<1年生・2年生・4年生> 「はてな?」「なるほど!」「だったら…」で作る算数授業(第18回)
今回は番外編で、パターンブロック(Pattern Blocks)を使った実践例です。
パターンブロックとは
既にパターンブロックを使ったことがある先生も多いと思いますが、初めて知るという方のために概要を説明します。1963 年に、アメリカのマサチューセッツ州ニュートンの教育開発センターで行われた初等科学研究(Elementary Science Study: ESS)のプロジェクトの一環で、エドワード・プレノウィッツ(Edward Prenowitz)が開発したと言われています。
パターンブロックは木製で、次の6種類で構成されています。大きさは、各辺が約2.5cm(1インチ)、等脚台形の長辺だけ約5cm(2インチ)です。厚さは1cmで、角の大きさはすべて30度の倍数になっています。
- 黄色(正六角形)
- 橙色(正方形)
- 赤色(等脚台形)
- 青色(ひし形)
- ベージュ色(ひし形)
- 緑色(正三角形)
学習は、主にシルエットが載っているタスクカードを使って進めます。楽しみながら図形の構成・分解や対称などを学ぶことができます。
動画のようなWEB上で操作できる無料アプリ(Math Learning Center)もありますが、低学年のうちは、実物をお勧めします。直感的に図形を回転させたり裏返したりできますし、タブレット操作で手間取ったりすることもないからです。
パターンブロックに関係する書籍は次のとおりです。ウとエは大型本で、そのままコピーするとタスクカードになるため、便利です。
授業の様子
前述した通り、パターンブロックを使う学習は、基本的にタスクカードを使って進めることが多いです。タスクカードの実践事例はそちらを参考にしていただいて、今回は、タスクカードを使わなくてもできるものを紹介します。
<1年「きれいなかたちを作ろう」>
パターンブロックを授業で使い始めると、必ず子供たちに聞かれる質問がいくつかあります。
「昼休みにやっていいですか?」
「テストが終わったら、やっていいですか?」
「どこで売っているんですか?」
これらの質問の裏には、『パターンブロックで自由に遊んでみたい』という子供たちの心があると想像できます。
その気持ちを汲み取り「自由に遊んでいいよ!」と言いたいところですが、何も規制がないと、パターンブロックを投げたり、口にくわえたりするなど思いがけないトラブルが起こることがあります。そこで、「自由」とは言わずに、「きれいな形を作ってね。できたら写真に残したいので、先生を呼んでね。」と言って取り組ませていました。
不思議なもので、完成した子供たちの作品は、対称のものが多く、黄色を上手に使っていることが多いです。撮った写真を印刷して教室に掲示すると、自分の続きを作ったり、お友達の作品をまねたりするなど、活動に広がりが生まれます。
<2年「お金持ちゲーム」>
パターンブロックを使って量感を養う教材です。やり方は次のとおりです。
まず、緑色1枚の単位を、児童に決めてもらいます(例:1パタン)。
次に、友達と1対1でジャンケンして、友達からもらえる枚数を決めます(例:グー1、チョキ2、パー3)。
そして、手持ちもパターンブロック(緑色3枚、青色1枚、赤色1枚、黄色1枚)を準備させて、ゲームをスタートさせます。
写真での実践では、もらえる枚数が多くなっていますが、5回ジャンケンを1ゲームとして、3ゲーム目の様子です。ゲームが終わる度に、子供たちにどこを変えたいか尋ねたところ、「もらえる枚数を多くしたい!」と言う声が多かったので、増やしています。
黒板中央の「青2」「赤3」「黄色6」は、緑と両替したときの枚数です。ジャンケンを続けるうちに、緑が足りなくなり、両替の必要性が出る設定にしています。両替を通じて量感が養うのがねらいです。
黒板右側のマス目は、座席表です。ゲームが終わる度に、自分の枚数を書き込ませ、ベスト3位を決めました。このことで自分が全部で何枚あるか数える必要性が出できます。子供よっては、色ごとに数えて2の段や3の段のかけ算を使って計算したり、色を組み合わせて黄色と交換し、黄色が何枚あるか数えて6の段のかけ算を使って数えたりする様子が見られました。
<4年「式で表そう」>

式からそれに対応する具体的な場面を読む教材です。
まず、一辺が緑色3こ分の正三角形(緑色9こ分)を作らせます。
次に、その正三角形の大きさを変えずに、パターンブロックを交換させます。
そして、子供たちに自分が作った正三角形を、式で発表させます。
全て緑色だと「1×9」ですが、写真のようなパターンブロックの配置だと「1×3+2×3」となります。
友達の式を聞く度、「え?」「分かった!!」「私と同じかも…」と式から形を想像する姿が見られ、盛り上がります。はじめのうちは式を分けて発表しますが、4年で学習する「計算のきまり」の後であれば1つの式で表すことができるので、1つの式で表す練習にもなります。
振り返りの場面では、「かけ算を使うと分かりやすい」や「違う形でもやってみたい」など、式を使うことを楽しむ様子が感じられました。
次回は、3年「わり算」です。お楽しみに。
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ケーキ
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六角形を広げる
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雪の結晶
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蝶

種市 芳丈(たねいち よしたけ)
小中一貫三戸学園 三戸町⽴三戸⼩学校・三戸中学校 教頭
子供たちが夢中になる算数授業づくりに取り組んでいます。算数専科や複式学級の指導の経験もあります。今、チャレンジしているのは、算数の教材研究や授業分析でのGemini Notebook(旧NotebookLM)の活用です。「Gemini認定教育者」を取得しました。算数の教材づくりの会「ガウスの会(代表:細水保宏)」の会員。
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