ユニバーサル授業学生が考えたユニバーサルデザインを商品化 「千葉大学工学部 デザイン工学総合プロジェクト」
早くから「ユニバーサルデザイン」の研究に取り組んできた千葉大学。ここでは学生たちが専攻分野の枠を超えて「教育のユニバーサルデザイン」に取り組んでいる。そこで、活動の中心となっている、千葉大学工学部デザイン工学科デザイン造形教育研究分野教授 堀田明裕氏の研究室を訪ね、お話を伺った。
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「ユニバーサルデザイン」という言葉をご存知だろうか。学びの場.comでも何度か取り上げてきたテーマだが、「ユニバーサルデザイン」とは、アメリカのロナルド・メイスが提唱したことから広まったもので、その定義はISOガイド71によれば、「特別な改造や特殊な設計をせずに、すべての人が、可能なかぎり最大限まで利用できるように配慮された、製品や環境のデザイン」で、要するに、障害者でも高齢者でも、誰にとっても使いやすいデザインのこと。 千葉大学では、早くから「ユニバーサルデザイン」の研究に取り組んできたが、このたび、同大学の学生たちが、専攻分野の枠を超えて「教育のユニバーサルデザイン」に取り組んでいる、という話を聞き、活動の中心となっている、千葉大学工学部デザイン工学科デザイン造形教育研究分野教授 堀田明裕氏の研究室を訪ねた。 堀田先生率いる学生たちが取り組む活動の正式名称は「デザイン工学総合プロジェクト」。このプロジェクトは卒業研究に価するもので、3年の後期から受講して、次年度末には何らかの結果を出す形となる。そのテーマは「癒しのデザイン」や「コミュニケーション」といったように、毎年異なってくるが、今の4年生が昨年の秋から取り組んでいるテーマが前述の「教育ユニバーサルデザイン」なのである。実は3年前にもユニバーサルデザインをテーマに取り上げたことはあったが、まだアイデアが抽象的なところがあった。そこで、今回はより具体的な方向が目指されており、教育ユニバーサルデザインのガイドラインを作り上げることが最終的な目標とされている。 現在、9つの研究分野から集まってきた15名の4年生がこのプロジェクトに参加している。 |
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JR西千葉駅を降りてすぐにある千葉大学 |
◆多くのアイデアの中から実現可能なものを選定 そこで、企業と連携して、実際に商品化を前提とした、「ユニバーサルデザイン」を検討してはどうかと思い立った。最初に提案を持ちかけたのは学びの場.comの運営主体でもある内田洋行。堀田先生の主旨に賛同し、内田洋行の商品企画メンバーと堀田先生らプロジェクトメンバーとで、現在、学生たちが出してきた約250のアイデアについて、製品化が検討されている。 ◆小学校や中学校を見学することで新たなユニバーサルデザインを発見 (取材:田中雄一郎) |
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