デザインの授業を通じた地域連携 吉祥女子高等学校
体育館に響きわたる園児達の声。見守るのは吉祥女子高等学校2年の生徒たち。今日、3月15日は生徒たちが半年がかりで作った遊具のお披露目の日。10年以上続くという、吉祥女子高等学校(東京都武蔵野市)の「遊具制作」の授業を取材した。
吉祥女子中学・高等学校。校舎は今年建て替えたばかり。 |
体育館に、ダンボールで作られた大きな7つの遊具が並ぶ。 ●ダンボールで子ども達のための遊具を作る! 2年生の生徒たちに与えられた課題は、 授業は、次のような過程からなる。 |
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●さあ、思いっきり遊ぶぞ! さて、実演・審査会の当日。生徒たちは、この日のために、調査の段階から半年かけて制作に取り組んできた。園児入場前のぎりぎりまで制作しているチームもある。 分かりやすい形のせいか、最初は鳥かご状のぐるぐる回る遊具(タマネギ)や、コーヒーカップ型の遊具に人気が集中。 モデル段階からオモシロそう、と注目していた「レモン」という遊具は見なれない形のためか、子ども達は遠巻きに見ている。が、一人の子が乗ったのをきっかけに次々に子ども達があつまった。円錐系の遊具をゴロゴロ転がすと天地が逆になり、ちょっとした絶叫マシーンのよう。見学に来ていた保護者達から「私も乗りたい!」という声も。もう一つ絶叫マシーン系のものでは「CHIKUWA」も人気。半円系の筒の上に乗せられた円筒の中に寝そべり、外側の半円筒を揺らす。と、内側の筒がゴロゴロ転がり、かなりのスリル。ただし、一度に一人ずつしか乗れないのが難点。これが審査にどう影響するか…。 さて、1時間が経過。少しずつ亀裂が入ったり、破損したりするものが出てくるが、どれも結構頑丈。ただ一つ、「レモン」は破損が激しく、遊べない状態に。人気だったのに残念。 そして制限時間の2時間が経過。いよいよ子ども達による審査タイムだ。一番気に入ったもの2つに投票の代わりにシールを貼る。「こっちに来て~」「よろしくね~」と高校生たち。園児たちにシールを貼ってもらうと「ありがと~!」と笑顔がこぼれる。 |
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向かって左が前田先生、右が徳山先生。童心に帰って遊びに夢中です。 |
この授業は、美術科の前田幸治先生、徳山高志先生が指導にあたっている。授業の主旨を、徳山先生にうかがった。 近隣の商店会と協力して、商店CI(コーポレートアイデンティティ)の授業も計画中だとか。これが実現すると、商店街が、生徒達が制作したロゴマークや、広告チラシで賑わうことになるのかも。地域と学校の連携の新しいあり方としても面白い試みになりそうだ。 (取材・執筆:学びの場.com) |
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