ITを活用して授業力をアップさせる 2005年の教室を考える会
教室にパソコンやプロジェクタが入ってくると、授業の形も変わってくる。そこで教師や企業の枠を超えてIT環境の活用を考え、これからの授業のあり方を探ろうということで結成されたのが「2005年の教室を考える会」。その活動は、昨年末に幕を下ろしたが、2005年からは、これまでの活動を踏まえて各地方支部で展開されていくことになる。その第1弾となる「2005年の教室を考える会 関東支部 公開研究会」が、2月5日、内田洋行 東京ショールームC3で開催された。
懇親会 |
オープニングのあいさつを行ったのは、金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授の中川一史先生。これまで中川先生は、静岡大学情報学部助教授の堀田龍也先生とともに、会の活動をリードし続けてきた。なぜ、今IT活用なのかについて中川先生があげたのは次の3点。
また、今回の研究会に参加するメリットとして、「ITを今より、ちょっとだけ使ってみようかなという気持ちになる」「ちょっとだけ授業力アップにつながる」「ヒューマンネットワークを広げられる」といったことをあげ、あくまでも、これから学校でITの活用を考えている先生の後押しをしていく立場であることを表した。 ◆参加型のワークショップで、新しい授業の形を提案 ◆グラフの描き方を書画カメラで映し出す また、子どもに発表させる時も書画カメラは有効なツールになるとのこと。普通ならば画用紙か発表ボードに描いてもらうのだが、子どもに大きな図を描かせるのは、どうしても時間がかかってしまう。それが書画カメラを使うことで、子どものノートを瞬時に拡大して映し出すことができる。こうした投影機能の使い道として、展開図も口で説明しただけでは、イメージがつかめるものではないが、書画カメラの上で組み立てる様子を映し出せば、一発で分かってもらえる。 続いて寶迫先生は、「コンパスを使って円の描き方を教える時は、どうしますか?」と問いかける。学校にあるような指導用のコンパスは大きくて使いにくい。やっぱり子どもと同じものを使った方が説明しやすいと指摘する。そこで、寶迫先生は、書画カメラの上で普通のコンパスを使って円を描いて映し出す。これで、円の描き方は子どもに伝わるという。これと同様のやり方で、三角定規を2つ使った平行線の描き方も教えることができるという。 ◆跳び箱の授業をデジカメで撮影 また、跳び箱の授業ではデジタルカメラの動画機能を活用している。この日も、土屋先生が跳び箱を跳ぶところを、デジタルカメラを渡された参加者が撮影していたが、静止やコマ割りで跳んでいる場面を見せられるので、跳び方のどこに問題あるかが、すぐに説明できる。短い場面を撮影する時は、ビデオカメラよりデジタルカメラの方が、すぐに頭出しができるので、使いやすいそうだ。 ◆ITの活用は、ちょっとした工夫が大事
2005年の教室を考える会は、今後は各支部会ごとの活動が展開されていくことになるが、関東支部会の中心となって尽力してきた渋谷区立笹塚小学校の松橋尚子先生は、「ITに詳しい先生など、周りがサポートしてくれたおかげで、ここまでやってくることができた」と語る。これからの展開については、未定だが、それぞれのメンバーが得たものを、まわりに広げていきたいとしている。 (取材・文/田中雄一郎) |
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