2004.03.02
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学校・家庭連携で食育を! 親子クッキングコンテスト新座市立東野小学校

みなさん、子どものおやつ、何を食べさせていまか? スナック菓子やコンビニ弁当なんか食べさせていませんか? 成長期の子どもにとって、3食では足りない栄養素を補うという意味で、おやつは重要です。東野小学校では、独立行政法人日本スポーツ振興会等の委嘱を受けて平成15年・16年度の2年間にわたり、食の研究を実施しています。その一環として、2月18日、「カラダが喜ぶ、簡単手作りおやつコンテスト!」と題したコンテストを実施しました。

 
 
 
 
 
 
 
書類選考で残った親子4チームが、実際に手作りおやつを作ります。

 

 

 

 







 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


さあ、待望の試食です!


どれか一つを選ばなければならないなんて…

全校の保護者たちよびかけて集まった45のレシピの中から書類審査を通過した4作品が、コンテストに臨みました。さて、その結果は!?


●学校と保護者が一体になっての一大イベント

今回の研究事業の最大の特徴は、保護者から公募した「ぱくぱく委員会」のメンバーが学校とともに研究を進めていること。これまで既に、子ども達の食生活のアンケート調査、食に関する講演会の実施、地域の方々の指導のもとに新座市の伝統料理である手打ちうどんを作って試食するなどの活動を行ってきました。

今回の「親子クッキングコンテスト」は15年度最後の一大イベント。ぱくぱく委員会が企画段階から関わり、当日の準備、進行、審査まで学校と一緒になって参加しました。

当日、会場となった家庭科室には、書類選考で選ばれた4組の親子のほか、審査員として、教職員達、ぱくぱく委員会のメンバー、給食の調理員さん、教育委員会の方々、地域でベーカリーを営む店長の関根さん、それに新聞記者の方々もつめかけました。

応募作品の条件は、(1)45分以内で作れること、(2)予算は2000円(20人分)まで(3)制限時間は片付けも含めて1時間(4)家庭科室内の道具を使用すること、の4つ。家庭科室にはオーブンや電子レンジがなく、ゆでる、煮る、揚げる、焼く、蒸すのいずれかで作るしかありません。制限時間があるので、下ごしらえに時間がかかるものは無理。発酵の必要なパンや、オーブンで焼き上げるケーキ類も難しいでしょう。なかなか厳しい制約ですが、さて、いったいどんなものができるのでしょうか。

参加は親子が条件。チームワークの良さも審査の評価基準になります。評価基準は他に、レシピの見やすさ、材料の入手のしやすさ、など全部で19。

●意外にやるじゃん!小さなシェフたちに拍手

「よーい、スタート」の合図で、4組の挑戦者たちはさっそく作業にかかりました。

ペアのエプロンで参加しているのは、1年生のUくんとお母さんが参加の牛山チーム。おからとサツマイモ入りの「おなかにやさしいごつごつ蒸しパン」の制作に取り掛かりました。お母さんがサツマイモをサイコロ状に刻む傍らで、Uくんはひたすらおからを乾煎り。Uくんは、おからの栄養について自分で調べたノートも持参。スピーディな動作で次々に生地を型に詰めていくようすは小さなシェフという感じ。

おからを気長に乾煎り 上手に蒸しあがりました! ヘルシーな黒糖を使っています。おからの味は全然気になりません

2年生のAちゃんとお母さんが参加の渡真利チームでの作品は、「サツマイモもち」。この料理は、宮古島の紅イモもちが大好きで、自宅で再現できないかと考えた末にできたものだとのこと。つぶしたイモにもち粉をまぜ、ゴマをまぶしてあぶらで揚げます。おイモをお団子状にくるくる丸めるのが楽しそう。

サツマイモをフードプロセッサーでつぶします 平らなお団子にまるめてゴマをまぶします 外はカリッ、中はモチモチ

1年生のHくんと4年生のAちゃん、それにお母さんの3人で参加の秋山チームは、「ミルクくずもち餅」作りで参加。くず粉の代わりに、手に入りやすい片栗粉やコーンスターチで作るのがミソ。また牛乳を入れることで栄養価もアップ。お母さんは、パン教室の先生をしているとかで、さすがの手際のよさ。子どもたちもとても作りなれているようすでした。

コーンスターチを火にかけてひたすら混ぜます 茶漉しできな粉をまんべんなくふりかけます 彩りも美しくできあがりました

4年生のRちゃんとお母さんが参加の牧野チームの作品は「なんちゃってチーズアップルパイ」。餃子の皮をめん棒で薄く伸ばして、甘く煮たリンゴと溶けるチーズをはさんで揚げます。「りんごだけでは栄養素的に物足りないのでチーズを加えた」というおかあさんは栄養士さんだとか。納得です。餃子の皮をわざわざ伸ばすのは、パリパリ感が出ることと、薄くすることで、油で揚げてもあっさり仕上がるためだそうです。

餃子の皮をうすーく伸ばして 甘く煮たりんごをはさみます カラースプレーチョコをふりかけ、見た目もキレイ

開始から40分をすぎる頃には、だんだん完成像に近づいてきました。食べるのが楽しみです!

●優勝は誰の手に!?

さーて、時間となりました! 4チームとも、お料理は完成。使った道具もぴかぴかに洗って終了。待望の試食タイムがやってきました!

温かいもの、冷たいもの、パリパリしたもの、もっちりしたもの、黒糖味、きな粉味、おイモ味、リンゴ味と、食感も味もそれぞれ異なる4つのおやつ。ぱくり! おお!どれもお世辞抜きにおいしい!! 「決められないよ」「ねえ、どうしても一つ選ばないといけないの?」という声も多数聞かれる中、投票、そして審査結果発表の時間がやってきました。

「優勝は、ミルクくず餅の秋山さんチームです!」

姉弟とお母さんの3人で参加した、秋山チーム。抹茶を入れて白と緑の2色の彩りも美しいくず餅。もちもちした食感ときな粉の素朴な甘み、手軽に作れ、低カロリーなのに栄養的にも優れているところなどが評価されました。

今回参加の4作品は、すべて学校給食に取り入れられ、今日試食できなかった他の児童たちも食べてもらえるそうです。お母さんの作品が給食になるなんて、子ども達にとってもこんなに嬉しいことはないでしょう。

このコンクールをきっかけに、おやつの本当の意味を考え、手作りに挑戦する保護者が増えてくれるといいなあと思いました。また、いっしょに料理をする親子の楽しそうな姿も印象的でした。

(学びの場.com特派員:東野花子)


 

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