2016.02.02
  • twitter
  • facebook
  • google+
  • はてなブックマーク
  • 印刷

子どもの着たい服が親の意見と合わない。どうする?

第81回目のテーマは「子どもが毎朝、服選びに駄々をこねて困っています。どうすればよいでしょうか?」です。

子どもが毎朝、服選びに駄々をこねる

あるお母さんから「毎朝、2歳の娘が服選びの時に駄々をこねて困っています。親が選んだ服は断固拒否。真冬に半袖、夏場は毎日同じTシャツを着たがったり、柄物のトップスに柄物のボトムスを合わせたり……等々、親には理解不能な不思議なファッションをしたがります」という悩みが寄せられました。

朝は誰もが忙しいものです。子どもの服選びに時間をとられるのは困るという方も多いことでしょう。今月は、子どもの服選びに、親はどう付き合っていけばよいのか、考えてみたいと思います。

どんな服装をしていても、あなたはかわいい

子どもというのは、大人からしてみると不思議な格好をしたがる所があります。しかし、それには「このキャラクターが好き」「この色が気に入っている」「着心地が良いから」等々の、何かしら理由が潜在していることが多いものです。また、「お気に入りの服を着るとやる気が出る」など、服装が自分の気持ちをも左右することがあります。従って、子どもが着たいというものを自由に着せてあげればよいのではないかと、私は考えます。服装は自己表現の一つの手段でもあるので、子どもが「これを着たい」と自分で選べるというのは、むしろ素晴らしいことではないでしょうか。

一方、そうした子どもの服装を見て、「そんな格好はかわいくないよ」と親が否定的なことを言ってしまうことの方が問題だと思います。なぜなら、そう言われた子どもは「お母さんが良いと言うような服を着ていないと、自分はかわいくないのだ」と思ってしまうかもしれないからです。親は「どんな服を着ていても、あなたはかわいい」ということを我が子に伝えるべきでしょう。服装によって人の価値が変わることはないと私は思います。

親御さんの中には、「もしも他人が我が子の変な服装を見たら、『一体、親はどんなセンスをしているのだろう』と思うのでは……」と心配する方もいるでしょうか? たとえ子どもが奇抜なコーディネイトをしていたとしても、子どもなのですから、親はそれほど気にしなくてもよいと思います。外に出ても、きっと周りの人はほほえましく見ているでしょう。私だったら「あら、自分で選んだのかな? かわいい!」と思います。

2歳児の服装の主張は、自立への第一歩

相談者のお子さんは2歳とのこと。確かに、こうした服へのこだわりは、2歳頃からよく出始めるようです。それは、この時期が、自己と他者の区別がつくようになり、自立の第一歩を踏み出し、自己主張が出始める頃だからでしょう。以前もお話しましたが、この時期から親は子どもに社会のルールを伝えていく必要があると思います。しかし、服装に関しては余程でない限り(お葬式に赤い服を着ていくとか)、他の人に危害を与えるようなアイテムではないので、自由にさせておいて構わないと私は思います。例えば、食べ物を投げたり、友達に暴力を振るったりということは、絶対にいけないと教えなくてはなりませんが、服装くらいは子どもの一つの楽しみにしてあげてはいかがでしょう。

我が子の将来のファッションセンスを心配する親御さんもいるようですが、日本は自由な国ですから、どんなファッションでも「それが好き」と思う人はいるのではないでしょうか。TPOに合わせた服装をすることなどは、年齢が上がっていくに連れ、周りを見て自分で学習できるでしょう。親の意見を聞き入れなくても、友達からのアドバイスには素直に従うということもよくあります。

子どもの自己肯定感を育むことを心掛け、「どんな服装でも、あなたがかわいいことに変わりはない」と、しっかり伝えてあげましょう。その上で、子どもの服装については大らかに構えてあげることがよいと考えます。

質問、お待ちしております!

「アグネスの教育アドバイス」では、取り上げて欲しいテーマ、ご質問、ご相談等を随時募集しております。下記よりご投稿ください。
※投稿フォームの本文に「アグネスの教育アドバイス」への投稿である旨を明記してください。
※取材企画の参考にさせていただきますが、テーマとして採用されない場合があります。
※いただいたご質問・ご相談に対し学びの場.comから個別に回答をお返しすることはありません。

アグネス・チャン

1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)

AGNES CHAN OFFICIAL SITE ~アグネス・チャン オフィシャルサイト

構成:菅原然子/イラスト:あべゆきえ

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

pagetop