2015.03.03
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習い事にすぐ飽きる子ども、どうすべき?

第70回目のテーマは「子どもがやりたいと言って始めた習い事。なのに、もう飽きてしまったようです。どうすべきでしょう?」です。

習い事にすぐ飽きる子ども、このままでいいの?

子どもの習い事といえば、音楽やスポーツ、最近ではダンスなど様々あります。大抵の場合、子ども自身が「ピアノを習いたい!」「羽生選手みたいにフィギュアスケートを滑りたい!」などと言い出すことがきっかけ。それで、希望通りに始めさせてみたものの、熱心なのは最初だけ。家で全然練習しない、習いに行くのも億劫がる……等々、途中で飽きてしまう子どもが多いようです。親御さんの中には、「自分からやりたいと言って始めたのに、こんなに早くやめてしまっていいものか?」「月謝も安くないのだから、無駄にしないでほしい」等の悩みをお持ちの方もいるでしょう。今月は子どもが習い事に飽きてしまった場合、親はどうすべきかを考えます。

8歳までは好きなことを色々経験させてみる

前述のように、子どもが色々な習い事をちょっとしたきっかけですぐに「やってみたい」と言うのは、好奇心旺盛な証拠。子どもらしい自然な欲求でしょう。そして、実際に始めてみたら無我夢中になれるくらい大好きなことだった、という場合は飽きずに続けるでしょう。しかし、それが何なのか、やってみるまでは8歳くらいまでの子どもには、また親にもわからないものです。従って、8歳くらいまでは、子どもがやりたいと言ったものは、家計等とも相談してできるだけやらせてあげてみたらよいと思います。9歳を過ぎる頃には、子ども自身にも自分が好きなこと、嫌いなことの区別が徐々についてきますから、親は「なぜレッスンしないの?」「もうやめたいの? それともまだ続ける?」などと、子どもと話し合ってみてはいかがでしょう。その結果、レッスンを怠ける意外な理由(先生との相性が悪いとか、場所が遠いとか)も見えてくるでしょうし、まだ意欲があるようなら続けさせてあげるのがよいと思います。

我が家の場合も、子ども達は小さい頃、次々に色々な習い事にチャレンジしました。私は、「まず音楽を習うならピアノを」と思い、3人共習わせました。が、真面目に練習した子は一人もいませんでした。長男は「野球がやりたい!」というので、近所の少年野球チームに入りましたが、通ってみて「これは向いていない」と本人が気づき、3か月くらいでやめました。次男は自分から「バイオリンをやりたい」と言って習いましたが、これも長くは続きませんでした。結局、習い事の中でどれ一つとしてものになったものはありません。

習い事は、人生を豊かにする“プラスアルファ”の存在

色々習わせても一つもものにならず、月謝ばかりかさむ一方、「でも、もしかしたら、この子には才能があるかもしれない」「もっと頑張って練習すれば上手になるかも」などの期待や欲望も相まって、イライラする親御さんもいるでしょう。

私の場合は、3人の息子がピアノを練習しなくてもイライラしませんでした。というのも、そもそも子育てで重要なのは1番に食事、2番目に睡眠、3番目に運動、4番目に学業、そしてその次が習い事と思っているからです。習い事は、四つの重要事項を十分に満たした上での“付け足し”のようなものでしたから、躍起にならなかったのです。

習い事は、その子の人生を豊かにするもの、と考えてみてはどうでしょうか。現に、我が家の息子達は何一つものにはなりませんでしたが、無駄にはなりませんでした。ピアノを習っていたから、ピアノ以外の楽器をやるときに音符を読めたり、大人の先生や他のお弟子さん等の知らない人と接したり、初めての緊張する場所でも怖がらなくなるなど、ピアノを習得できなくても、得るものはあったといえます。長男の野球だって、その3か月間でルールは覚えたので、観戦を楽しむことができるようになりました。

習い事は、子どもの将来に直接生かされることはないかもしれませんが、習い事仲間との交友関係が続いたり、本業の合間に趣味として楽しんだり、人生をキラキラ輝かせる、プラスアルファの要素にはなり得ると思います。そんな“毎日をより楽しくするためのもの”を子どもに与えたい、そのために習い事をさせようと考えれば、親はやきもきしなくて済むのではないでしょうか。

アグネス・チャン

1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)

AGNES CHAN OFFICIAL SITE ~アグネス・チャン オフィシャルサイト

構成:菅原然子/イラスト:あべゆきえ

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