2015.02.03
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防犯・防災教育、我が家はどうする?

第69回目のテーマは「子どもを犯罪や災害から守るにはどうすべきでしょうか? 家庭でできる危機管理対策とは?」です。

多くの子どもが被害者となっている

神戸での女児殺害事件等、昨今子どもが被害者になる痛ましい事件が度々起こり、他人事ではないと感じる親御さんも多いと思います。昨年12月には、2014年の1~11月にあった13歳未満の子どもの連れ去り(略取・誘拐)が、100件もあったことが警察庁のまとめでわかりました。道路や共同住宅の敷地内など、身近な場所での連れ去りが多発しているようです。また、地震等の天災もいつ起こるかわかりません。犯罪や災害から子どもの命を守るために、親にできることは何でしょうか。今月はこのことについて考えてみます。

安全神話にしがみつくのをやめ、危機意識を持つ

まず、防犯についてです。子どもをターゲットにした犯罪は増える傾向にありますが、日本社会はまだ深刻にとらえていないように感じます。「自分の子ども時代は安全だったから、今もそうだろう」と考える大人も少なくないようですが、それはもう幻想だと思います。今の日本では、子どもが被害者となる犯罪が多く起こるようになったと、まずは認めましょう。安全神話にいつまでもしがみついていては、子どもの被害を減らすことはできません。その上で、子どもへの危機管理教育が大切になってくると思います。

就学前は保育園・幼稚園への送迎や公園等戸外での遊びには必ず保護者が付き添っているはずですから、今回は小学生以上の子どもへの対策を考えます。

外で知らない人に声を掛けられたらどうするか? 犯罪者は「君のお母さんが大変なことになった(病気になった、事故に遭った等)、連れて行ってあげるからクルマに乗って!」などと、親の危機を餌に連れ去ろうとすることが多いようです。子どもには「そう言われても、決してクルマに乗ってはいけない。まず相手から手が届かない距離まで離れて、『電話で確認してきます』と言って逃げなさい」と教えましょう。また、お菓子で釣る犯罪者もいますので、「知らない人からは絶対に物をもらってはいけない」と教えましょう。

神戸の事件のように、相手が顔見知りの場合も絶対ついて行ってはいけないと言い聞かせましょう。必ず「親に確認する」とその場を離れ、親に報告することを義務付けましょう。

地域のつながりを密にすることも防犯の大きな力になるはずです。例えば、普段見かけないクルマがスクールゾーンにいたらどうすべきか? 大人2~3人で「ここはスクールゾーンですから駐車しないで下さい。何か緊急の用事でもあるのですか?」と声を掛けてみましょう。犯罪を企てている人物なら、目を着けられたと思い、大抵は逃げていきます。

小学生の通学手段として、スクールバスの導入をもっと進めてはどうでしょう。日本では予算の都合上難しいと言われているようですが、子どもの命を守ることよりも優先すべきことがあるのでしょうか? 私は早急に整備すべきだと考えます。

犯罪が起きてしまってからでは遅いのです。過剰と思われるくらいでも、子どもが幼いうちは、大人が付き添う必要があると思います。我が家では、息子達が中学生になるまで必ず大人が行き帰りに付き添いました。また、公園で遊ぶときは大人が目を光らせるべきです。公園で起こる性犯罪が近年とても多く、危険だからです。保護者仲間と協力して、交代で見守ってはいかがでしょう。

日本も非常に危険な社会になってきたこと、そして自分の子もいつ被害に遭うかわからないという危機意識を持ち、子どもを守る手段を皆で講じていきたいと思います。

災害時の行動を決め、訓練に積極参加を

次に防災についてです。学校では定期的に避難訓練をしており、特に東日本大震災以降は、地域ごとに想定される被害についてよく考慮した訓練を行っているようです。一方、家庭では何の対策もとっていない場合が多いと思います。我が家では、息子達に幼い頃から小さい地震が起こる度、こういうときはどういう行動をとるべきかを伝えていました。ドアを開けて逃げ道を確保する、火を消す、頑丈な机の下に隠れる、近くに机がなければトイレに隠れる……等々、実際に一緒にやってみました。親と別々の場所で被害に遭ったら、どこで待ち合わせるかも決めていました。「●●公園のジャングルジムの所」など、具体的に場所を特定しておけば安心です。

地域の自治会やマンション主催の防災訓練には積極的に参加しましょう。家族全員で参加すれば、親が被害に遭って身動きがとれなくなった場合、子どもはどうすべきか、どこに行けば安全かを予め知ることができます。万が一、親自身が命を落とし、子どもが一人になっても自分で命を守れるよう、知識と心構えを教えておきましょう。

防犯も防災も、「もしこうなったらどうするか」ということをなるべくたくさんシミュレーションし、親子で実際にやってみることです。やってみて気づくこともあるでしょう。備えあれば憂いなし。大事な命を守るため、準備と訓練をお忘れなく。

アグネス・チャン

1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)

AGNES CHAN OFFICIAL SITE ~アグネス・チャン オフィシャルサイト

構成:菅原然子/イラスト:あべゆきえ

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