2013.12.31
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自主的に勉強する子を育てるには?

第56回目のテーマは「親が『勉強しなさいっ!』と口うるさく言わなくても、子どもが自主的に勉強するように育てるにはどうすればよいでしょうか?」です。

就学前、遊びながら学びの習慣を身につける

よく一向に勉強しようとしない子どもに向かって「勉強しなさい」と言ってみるも、全く効果がない、と困っている親御さんの話を聞きます。今月は、子どもが自主的に勉強するように育てるにはどうすればよいか、家庭でできることを考えます。

まず大前提に、子ども自身が「自分は勉強ができる」と自信を持つことが、何より大事だということを、ぜひ覚えておいてください。子どもは自信がつけば勉強が面白くなり、もっとやってみたいという学習意欲が生まれるものです。これを心がけ、子どもへ適切に働きかけましょう。

就学前の子どもへの実践としては、歌で言葉を覚える、知育玩具で数字を数える、五十音を読ませる、といったことです。この時期であれば、子どもは遊びながら無意識のうちに学びの習慣が身につき、「知ることは楽しい」と感じるようになるはず。積木やパズル、組み立てブロックなど、遊びながら考え、成功体験もできるような玩具が理想的だと思います。また、就学前に五十音や数字の読みなどを進めておけば、小学校に上がってから「これは知っている!」と気持ちに余裕が生まれ、自信につながるでしょう。

絵本の読み聞かせ時には、親がいったん読み終わった後、子どもにも読ませて、ストーリーを一緒に振り返りましょう。これにより、自分の考えを整理し、人に伝える力がつくはずです。“伝える”という活動は自分がわかっていないとできないので、理解力の基礎を鍛えることにつながるでしょう。一日の終わりに、その日の出来事を振り返り、親子で報告し合うことも同様の効果を期待できます。報告会は、保育園にお迎えに行った時や、帰宅後の夕食時にでも実践できると思います。

これらの際、注意したいのは、子どもの「なぜ?」「どうして?」という好奇心をつぶさず、大人が真剣に答えることです。すると、子どもは知ることの楽しさを重ねていき、学習意欲へとつながるでしょう。そして、「勉強させられている」という苦痛を感じず、楽しく知識を身につけていくはずです。就学前にこれらのベースができていれば、就学後も勉強への拒否反応が少なく、自ら勉強する子になりやすいでしょう。私は、ここまでは親の一つの役目だと思っています。

「常に一歩先に進みたい」という気持ちを育てる

次は、小学校時代にできることです。就学前からの学びの習慣を継続させ、挑戦させ続けることが大事だと思います。例えば、宿題を見てあげる時、5分追加して国語の教科書を一緒にどんどん読み進めてみます。学校の授業に先行し、少しプラスアルファしながら、家庭が挑戦のチャンスを作ってあげるのです。すると、子どもは常に挑戦し続け、次第に「これができたら、また一歩先に進んでみたい」と思うようになるでしょう。

就学前に行った親子の報告会で伝える力を身につけたら、次は「議論する力」です。 我が家ではニュース番組を親子でよく見ていました。3年生くらいになれば社会科の授業が始まるので、ニュースにも興味を持ち始める頃です。小学生新聞などは1年生の読者も想定して書かれているので、低学年から読むことができます。時事問題には正誤はありませんから、親子で見て、読んで、考え、そしてお互いに感想を述べ、意見を言い、話し合うのです。同時に、テレビや新聞の情報をうのみにせず、「それは本当か」と疑うことも大事だと教えてください。親子で議論し、疑問点はインターネットや図鑑で調べる。このことが自分の知らないことを知りたい、理解したいという意欲を育むことでしょう。常に一歩先へ進もうとする力が、自ら学ぶ原動力になるはずです。

不正解は怠けたためか、理解していないためかを見極める

このように親が子どもの勉強に関与することは、中学生までは必要だと思っています。私は、息子が中学生になるとテスト勉強のコツを教えました。読みながらノートをとるとか、模擬問題を作って時間配分もしながら解いてみるとか。ただ、中学生にもなると教科内容はグンと難しくなりますから、親もそうそう教えられなくなるでしょう。本人の頑張り次第になってきます。そんな時、小学生までに活字に慣れ親しんでおけば、読解力が身についているため、つまずきにくくなるでしょう。読解力はどの教科でも基本です。本や新聞を普段から自然に読める環境づくりも大切だと思います。

定期テストでは、点数や順位だけを見るのでなく、不正解箇所は「わからなかったためか」、それとも「怠けたためか」を子どもに問いただして下さい。もしも、「わからなかったため」であれば問題です。先生にもう一度習う、家族や身近な人に教えてもらう等、その箇所はしっかり克服しておきましょう。理解できずに放置しておくと、「勉強はつまらない」と思うきっかけになるかもしれません。

我が家の場合、長男は比較的理解力が高く、勉強をあまり苦としないタイプだったので、より難度の高いものに挑戦し続けるよう励ましました。次男はコツコツと頑張る努力家タイプなので、理解できない箇所がないように気をつけてあげました。三男は速読が得意で、読むことが大好きなので、そこを褒め、伸ばすように努めました。三人三様、対応法は違いましたが、自主的に勉強する子に育ち、嬉しく思っています。

「勉強しなさい」という声がけだけでは、子どもは勉強しないと思います。その子に合った励まし方や対応を考えてあげましょう。最大のポイントは、就学前に無意識のうちに学びの習慣を身につけること。お正月はかるたやボードゲームなどで、親子で楽しみながら学んでみてはいかがでしょう。

アグネス・チャン

1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)

AGNES CHAN OFFICIAL SITE ~アグネス・チャン オフィシャルサイト

構成:菅原然子/イラスト:あべゆきえ

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