2012.04.03
  • twitter
  • facebook
  • google+
  • はてなブックマーク
  • 印刷

我が子の交友関係にどこまで関わる?

第36回目のテーマは「親は、我が子の交友関係にどこまで関わってよいか?」です。

気になる我が子の交友関係

我が子の交友関係と言っても、乳幼児までは親同士の付き合いが中心ですので、どの子が友だちか把握できていますし、特に心配はないものです。しかし、幼稚園・保育園に入園し始めると、子ども自身が勝手に友だち関係を構築し始めます。「ウチの子はどんな子と仲良くしているのかしら?」と気になるのも無理はありません。

そして、「素行の悪い子とは付き合ってほしくない」「あの子といつも一緒で大丈夫かしら」など、我が子の交友関係についつい口出ししたくなるのも親心。では、一体どの程度まで親は関わってよいのでしょうか。

小学校低学年までは親が交友関係を気にしてあげて

私は、子どもが初めて集団生活に入る幼稚園児の頃から小学校低学年頃までは、親が関わってもよいと思っています。

なぜなら、ヤンチャなタイプの子どもが、同じようなタイプの子と付き合うと、そのヤンチャな部分を助長し合い、「おれたち怖いものなし!」とエスカレートする恐れがあるからです。そうなると、彼らが中心となって授業を壊すなどクラスを荒らす原因になるかもしれません。ヤンチャな子は少し大人しい子と友だちになると、ちょうど自分が持っていない部分を補い合い、バランスが取れてくると思います。

我が子が同じようなタイプの特定の子とばかり付き合っていないかチェックし、できるだけたくさんのタイプの子と、大勢で仲良くできる場を作ってあげるのが、親の大事な役割ではないでしょうか。

それには、まずは我が子の交友関係を把握することから始めましょう。日常的な子どもとの会話の中から、また幼稚園の送迎の際に子どもが遊ぶ様子を見る、さらに幼稚園の先生方に聞くなどの方法があります。

それにより、「同じようなタイプの子とばかり仲良くしているな」と気づいたら、子どもに「なぜ、そのお友だちと仲良くしているの?」と聞いてみます。すると、相手が一方的に慕ってくるから、または子ども自身がその子のことをとても好きだからなど、色々な思いを話してくるでしょう。そこで、「同じ子とばかり仲良くするのではなく、自分にないものを持っている友だちとも仲良くなってみたら?」と話してみましょう。

同時に、相手の親御さんにも相談し、自分の子どもとばかり仲良くするのではなく、色々なタイプの子と付き合ってみたらどうか、と提案します。親同士だけでは解決が難しいようであれば、幼稚園の先生にも相談し、助けてもらってもよいでしょう。その結果、子ども自身が納得して他の子とも仲良くしようと努力していれば見守り、それがうまくいかないようであれば、親はさりげなく少し違うタイプの子も家に呼んで一緒に遊ぶ機会を提供してみてはいかがでしょう。

学校以外の世界を提供し交友関係を広げてあげる

子どもは互いに違うタイプと付き合う方が、交友関係に発展性が出てくるという利点もあると思います。もしも、特定の友だちとだけ付き合っていると、思春期などにその相手とうまくいかなくなった時の打撃が大きくなるかもしれません。幼少時代から年代も性格も色々なタイプの人と付き合えるようにしておくことは、ゆくゆく役に立つでしょう。

そのために親ができることは、学校以外の集団に子どもを入れる機会を提供する。たとえばスポーツチーム、ボランティア活動、習い事など色々あります。または夏休みなどにキャンプに参加させる、親戚宅を訪ねさせる、親の友人に積極的に会わせて家族ぐるみで付き合うなど、子どもの交友関係を広げる方法は結構あるものです。

子どもが様々な集団に身を置くことは、子ども自身が自分の多様な良い面を認識できることにもつながると思います。たとえば、学校では気弱で内気な性格と見られていた子が、英語教室に行ってみたらそこで仲良くなった子から「勉強ができるね」と言われ、それを機に自分に自信が持てるようになるかもしれません。友だちのタイプを固定化しないことは、その子自身を固定化しないことにもなるでしょう。色々な友だちからたくさんの刺激を受け、住む世界を広げ、自分の未知なる可能性を伸ばしていくこともできると思います。

そのためにも、親は子どもが幼いうちは、上手な友だち作りを応援してあげてはいかがでしょうか。

アグネス・チャン

1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)

AGNES CHAN OFFICIAL SITE ~アグネス・チャン オフィシャルサイト

構成:菅原然子/イラスト:あべゆきえ

※当記事のすべてのコンテンツ(文・画像等)の無断使用を禁じます。

ご意見・ご要望・お悩み、お待ちしています!

「アグネスの教育アドバイス」では、取り上げて欲しいテーマ、教育や子育てのお悩み等を随時募集しております。下記リンクよりご投稿ください。
※いただいたご要望やお悩みは、企画やテーマ選びの参考にさせていただきます。
※学びの場.comから個別に回答をお返しすることはありません。

pagetop