2010.02.02
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一人っ子の育て方・教育方法は?

第10回目のテーマは「一人っ子の育て方」。"一人っ子はわがまま"という説がありますが、それは教育次第なのです。

一人っ子はわがまま? 育てにくい?

 日本では出生率が鈍化・低下傾向にあり、一人っ子の家庭も少なくありません。よく「一人っ子は甘やかされ、わがまま」と言われます。本来は親の教育次第ですが、中には“6ポケット”や“10ポケット”という言葉が示すように、両親の祖父母だけでなく、叔父叔母からもプレゼントやお金、そして愛情も注いでもらえる子もいることはいます。

「一人っ子の子育ては大変だ」とも言われます。確かに、兄弟姉妹がいる場合より手がかかるようです。というのも、一人っ子の子どもは遊び相手がいないため、常に「ママ、ママ」と追いかけてきて手が離せないからです。ずっと一対一で向き合うことになり、「息が詰まりそう」というお母さんも多いのではないでしょうか。

 私の場合も一番大変だったのは、次男が生まれる前の長男だけの3年間でした。次男が生まれたら、子どもたちは勝手に二人で遊ぶようになり、本当に楽になりました。また、一人だけだとどうしてもその子だけにのめり込んでしまいがちですが、二人になるといろいろな角度から子どもを見ることができるようにもなるのです。親として精神的な余裕が生まれましたね。

 学校現場では一人っ子だからといって、特別に手がかかることはないでしょう。兄弟姉妹のいる子と同じように接してあげればいいと思います。ただ、もしあまりに甘やかされて育てられたことで、「自分は何でもできる」と自信過剰になってしまっている子には、少し現実を見せてあげる配慮は必要でしょう。その子が将来思い通りにならない事態に直面したときに苦しい思いをすることもありますから、やはり先生が正当な評価に気づかせてあげることはすごく大切です。

一人っ子だって良いところはあります

 兄弟姉妹がいる子と比較して一人っ子の特徴を考えてみると、わがままになってしまう傾向は否めません。それに、すごく周りに気を遣う子になってしまうことも考えられます。寂びしがり屋で、皆に帰ってほしくないという心理が働くためです。さらに、周りが大人ばかりの環境で育つと、子ども同士では話が合わない、つまらないと感じてしまうこともあるようです。

 半面、良いところもあります。それだけ親が関心を持って一人の子と向き合うので、親ときちんと話ができる子になります。そして、早くも高校生くらいから「自分が親の面倒をみないといけない」という意識を持つようになってきます。一人っ子には親孝行の子が結構多いのです。しっかりとした親子関係を作れる傾向は一人っ子の長所でしょう。

 その上「責任感が強い子」に育つこともあります。何人か兄弟がいる子は、「僕一人くらい失敗しても大丈夫」と考えるかもしれませんが、一人っ子は「自分がしっかりやらないと」という意識を常に持って物事に取り組む傾向があるからです。

一人っ子を育てるコツは…

 一人っ子の子育ての最大のテーマは「子離れ」。一般的にも、子どもはある程度大きくなったら自由にさせてあげるべきでしょう。親が守り過ぎてしまうのは絶対良くないことだと私は考えます。もちろん可愛い我が子ですから、つい構いたくなりますよね。でも、そういう気持ちをグッと抑えて、あくまで表面上は“知らんぷり”しましょう。

 私が一人っ子を育てるとしたら、まず友だちを作る機会をいっぱいあげます。兄弟姉妹がいない分、できるだけ多くの人と接する機会を持たせて社会性を身につけさせるのです。例えば、学童保育や水泳クラブ、少年野球などに入れるのもいいでしょう。同年代の子だけでなく、年の離れた子と接することでその子はどんどん成長していきます。自分より年下の子と交流すれば、人にものを教えることや、人をかばうことを学びます。

 もし近所にちょうどいい友だちがいないときは、「スリープオーバー」という方法もあります。友だち同士でそれぞれの家を“泊りっこ”するのです。日本ではあまり馴染みはありませんが、外国ではよくあることです。

 友だちは何も人間とは限りません。イヌやネコ、あるいはアパートやマンションであればカメやカブトムシでもいいでしょう。私の三男は、上の二人と年が離れているためどうしても一人になることが多く、寂しいときがよくありました。そこでトカゲを飼い始めました。今も元気でいます(笑)。とにかく“誰かと一緒にいること”、これが大事なのです。

アグネス・チャン

1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)

AGNES CHAN OFFICIAL SITE ~アグネス・チャン オフィシャルサイト

構成:後藤真/イラスト:あべゆきえ

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