2019年のゴールデンウィーク、有意義に過ごすには?

私、アグネス・チャンがこれまで学んだ教育学の知識や子育ての経験をもとに、学校や家庭教育の悩みについて考える連載エッセイ。今回のテーマは「2019年のゴールデンウィーク、有意義に過ごすには?」です。
脳は休んでスイッチを切る時こそ成長します。先生も生徒も余裕のある休日を過ごしましょう。
元号が変わることについて話し合ったり、連休明けが楽しみになる課題はいかがでしょうか。

たくさんの宿題を出すのは子どもたちも大変ですが、休み明けに学校に戻ることが楽しみになるような課題は良いですね。例えば各自家で大豆を育ててみるのはどうでしょうか。「僕はリビングの窓際で育ててみよう」「私は鉢を庭に置いてみよう」と自分の好きな場所で育てて、連休明けに成長の違いを調べてみたり。みんなで連携した課題は学校で友達に会う時の楽しみになります。
また、今年は連休中に元号が変わるという記念すべき日を迎えるわけですから、元号について調べる良い機会です。事前に天皇が即位の日にどんな服を着ているのかなどを推測して、休日中に確認し、学校に来たらみんなで話す。さらに学年が上がれば、なぜ今回は天皇が亡くならずに新しい天皇が即位することになったのかを調べてみてもよいでしょう。この一連の休日・祝日が決定されるまでに、国会でたくさんの議論が行われたという経緯を知ることも、とても勉強になると思います。
日頃忙しい保護者も、子どもの出す“サイン”に気がつけるチャンス。
10連休もあれば、学校に行きたくて仕方がないとう子もいて、これは先生にとっても家族にとっても喜ばしいことです。でも中には親に甘えて、「学校に行きたくない」と言い出す子もいるかもしれません。その時は、まず理由を把握しましょう。朝早起きが苦手なのか、友達のことで悩んでいるのか、先生が苦手なのか、勉強が嫌いなのか、制服が嫌いなのか……いろいろな理由があると思います。
本来はこういった子どものサインは日頃から会話をして気がつくべきですが、なかなか時間が取れないご家庭もあります。今回のゴールデンウィークを利用してぜひゆっくりと子どもとの会話を楽しみ、心の声に耳を傾けてみて下さい。特に新しい環境に変わってすぐの場合には気をつけておくべきことだと思います。
さて、天皇陛下が即位する数十年に一度の貴重な祝賀がやってきます。また、過去にない大型連休ですから先生も心をリラックスさせて、休み明けに学校へ行くのが楽しみになるような休暇をお過ごし下さい。

アグネス・チャン
1955年イギリス領香港生まれ。72年来日、「ひなげしの花」で歌手デビュー。上智大学国際学部を経て、78年カナダ・トロント大学(社会児童心理学科)を卒業。92年米国・スタンフォード大学教育学部博士課程修了、教育学博士号(Ph.D.)取得。目白大学客員教授を務め、子育て、教育に関する講演も多数。「教育の基本は家庭にある」という信念のもと、教育改革、親子の意識改革について積極的に言及している。エッセイスト、98年より日本ユニセフ協会大使、2016年よりユニセフ・アジア親善大使としても活躍。『みんな地球に生きるひと』(岩波ジュニア新書)、『アグネスのはじめての子育て』(佼成出版社)など著書多数。2009年4月1日、すべての人に開かれたインターネット動画番組「アグネス大学」開校。2015.6.3シングル『プロポーズ』release!!(Youtubeで公開中)
構成・文・写真・イラスト:学びの場.com編集部
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